アストラムラインについて調べよう。

　広島市のこれからをシンボライズしているのは，アストラムラインです。１９９４年第１２回アジア競技大会が，広島市で開催されたのに合わせて開通しました。アストラムラインは，なぜ，建設されたのでしょう。

 広島市北西部の安川沿いの地域では，昭和４０年代からの急激な宅地開発による人口の急増に伴い広島都市圏の中でも特に深刻な交通問題が生じていました。こうした北西部地域の交通問題を解消し，さらに，広島都市圏の交通体系を高度で効率的なものにするために，地域の交通需要に適応した新しい軌道系の公共交通機関を導入が計画されました。一般国道５４号，祇園新道そして都市計画道路中筋沼田線の道路の上に，新交通システムアストラムラインが建設され，１９９４年８月２０日から運行しています。

　つまり，広島市の宅地開発とともに，都市がますます拡大していく中で，アストラムラインは，道路交通網の整備とともに，重要な担い手になるだろうと予想しています。もし，広域公園前から西広島駅(新交通西風新都線)，西広島駅から広島駅(新交通東西線)が実現すれば，広島市の交通は，ますます便利になってくるでしょう。未来に向けて，広島市は，住みよい都市になるために発展を続けています。その象徴がアストラムラインだと言えるでしょう。

　アストラムラインは，明日トラムライン？

■ 明日に向かって走るアストラムライン

　「アストラムライン」という名前は，日本語の「明日」と英語の「トラム（電車）」，路線を意味する「ライン」を組み合わせたものです。「明日に向かって走る電車」「未来に伸びゆく電車」「未来が平和であることを願って走る電車」などの意味が込められています。

　シンボルカラーは，「平和・寛大・理想」という意味を持つクロムイエロー（山吹色）です。各駅は，それぞれ７つのレインボーカラーのうち１色を駅カラーとして用いて独自性を演出しています。カープの本拠地広島市民球場の最寄駅「本通」は，赤ヘルの赤，サンフレッチェの本拠地広島広域公園の最寄駅「広域公園前」はサンフレッチェカラーの紫になっています。これは，偶然だそうですが・・・・。でも，本当は，意識されていたのかも知れません。

■ 日本で一番長い新交通

　アストラムラインは，中・四国地方ではじめての新交通システムです。総延長１８．４ｋｍは，日本の営業中の新交通システムの中では日本一の長さを誇っているそうです。１８．４ｋｍのうち，本通駅と県庁前駅の南端との間は，地下鉄区間となっています。地下を走行するのは，全国の新交通システムの中でも初めてだそうです。

■　シャレオ効果に期待して・・・・。

　１日当たりで，利用者の一番多い駅は，本通駅です。乗降者合わせて，約１万９千人です。平成１３年４月に，紙屋町地下街「シャレオ」がオープンしました。シャレオへの来訪者の影響によって，平成１３年度は，開業以来初めて普通券によるアストラムラインの利用者が増加しました。厳しい経営状況が伝えられていますが，今後ともシャレオ効果に期待したいものです。