 農業の発達のポイントは？
農業は，封建社会の経済基盤の中核である。農業が発達することにより，様々な諸産業に好影響を与えたのである。
農業が発達するということは，農作物の収穫が増えるということである。収穫が増えるということは，支配者(幕府・大名)にとっては，年貢増収が見込めるということであり，農民にとっては，収穫が増えると手元に残る分も増えるということである。
○ 幕府・大名の政策
・ 「農本主義」(農業を一国の基本的な産業とする立場)にたち，年貢増収を目指す領主は，治水の条件を整え，新田開発や特産品を奨励する殖産興業政策をとる。
○ 農民の工夫
・ 本百姓は，農業技術を改良し，広くない田畑を集約的に利用する。 |
新田開発の背景には，治水と灌漑技術の向上があげられる。
《農業技術の進歩》
① 治水・灌漑技術
○ 水車，龍骨車(りゅうこっしゃ)，踏車が普及。
○ 玉川用水(江戸：1655年)，箱根用水(相模：1670年)の完成。
② 肥料
○ 油粕・干鰯(ほしか)などの金肥(肥料問屋から買い入れる肥料)の使用。
③ 農具の改良
○ 備中鍬(びっちゅうぐわ)・千歯扱(せんばこき)・千石どおし・唐箕(とうみ)など。 |
本田畑の五穀(米・麦・粟・黍・豆の５種)以外の作付は，禁じられていたが，商品作物の収益性が高かったので奨励されるようになる。
《四木(しぼく)・三草(さんそう)》
○ 四木・・・・・桑・茶・漆・楮(こうぞ)
○ 三草・・・・・藍・麻・紅花(赤色染料)
《その他》
○ 綿花・いぐさ・たばこ・菜種などの栽培。 |
享保・天明・天保の飢饉が，三大飢饉である。
三大飢饉
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| ①享保の飢饉 |
1732年
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長雨とうんかの害による飢饉。西国一帯にわたり，飢民約200万人。米価は，４～５倍に騰貴。 |
| ②天明の飢饉 |
1782～1787年
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長雨と浅間山噴火・冷害・水害などによる全国的な大飢饉。特に東北地方に甚しく，餓死者は，仙台藩だけで約30万人。 |
| ③天保の飢饉 |
1833～1839年 |
洪水・冷害などによる全国的な飢饉。特に奥州の被害が大きい。百姓一揆が激増する。幕府は，御救小屋を江戸市中に21カ所設置し，5800人を収容する。 |
地引網(上方漁法)が普及する。各地に特産品が生まれる。
○ 九十九里浜の鰯→干鰯(ほしか)に使用。
○ 土佐の鰹
○ 紀伊・土佐の鯨
○ 赤穂の製塩 |
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農業・水産業の発達 
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