子どもが「総合的に学ぶ」時代に

 本校では,2002年度から始まる完全週五日制に対応した教育課程を既に実施している。
 だから,来年から週五日制になっても教育活動が大きく変化することはない。
 ただ,土・日の連休や祝日で確実に休みは増え時間にゆとりが生まれる気はする。
 このゆとりの時間を知識の詰め込み的な学習ではなく,「プロジェクト学習」に活用してほしいという思いがある。
 プロジェクト学習とは,ある設定されたテーマに関して自ら課題を見つけ,考え,判断し,自己表現と自己の生き方について自覚していく学習である。
 テーマに関するイメージの創出は,ウェッビング法を活用する。
 その過程で,キーワードを発見し,子どもたちは,このキーワードの関連項目を選択し,インターネットを核にした調べ学習を展開していく。
 調べる内容は,歴史,科学,芸術,地理,産業など一教科を超えたものになる。
 インターネット上の高度な資料を読んだり,発表のために文章をまとめることで国語力も当然磨かれる。
 こうして,子どもは,教師から個別の教科内容を一方的に教わるのではなく,自ら学習する習慣を身に付けていくだろう。
 また,他の子どもの研究成果と適宜比較することで,客観的に自己評価する力も養っていく。
 プロジェクト学習の評価は,教わった内容をどれだけ理解したかではなく,自分の力でどれだけ達成できたか,どれだけ自己の生き方についての自覚を深めていけたかという達成感や満足度が評価のポイントになる。
 このような学習を提案しても現実的には,詰め込み的な学習塾パターンの比重が大きくなるのだろう。
 無意味な提案だと思うが,このような学習を思い切ってやれる時代になってほしい。
 本校の施設や国費,校費を含めた環境面は,立派な施設・設備を誇る大学と比較すると悲しい現実があり,子どもの学習支援環境もお世辞にも立派だとは言えない。
 でも,教育の中身とすばらしい子どもたちの存在を世にアピールすることを日々考えて過ごしている。

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