嬉野関係](大学院社会系コース同窓会誌)                


 日日是好日
          
26期生のみなさん,修了おめでとうございます。
みなさんとは,講義やゼミでのかかわりがなかったので,ソフトボール場でお会いした人の印象しかありません。
2年あるいは3年間の社での生活はいかがでしたか。

修了されるみなさんには,まず,私自身のモットーである「日日是好日」という言葉を紹介します。
日日是好日(ひびこれこうじつ)とは,みんな一度だけの人生なのですから,毎日起きる出来事がすべて好きと思えるような生き方をしていきましょうというすすめです。
人生には,おもしろくない,つならないことも多いのは事実ですが,どんな出来事でも自分の気の持ちよう一つで,見方・考え方を変えることがきっとできると思います。
あれをしたい,これをしたい,○○をしてほしいなどといろいろと要求が多いから不満が出るわけで,毎日の出来事や平凡な日々をしあわせだと感じられるおだやかな生き方をぜひしてほしいとまず,希望しています。
さらに,修了されるみなさんに,次の2つのことをメッセージとして残しておきたいと思います。
一つは,「気概のある生き方をしてほしい。」ということです。
修了するみなさんに,あれこれと示唆を与えるほど,自分自身が満足できる生き方をしてきたわけではありませんが,常に自分に言い聞かせていることでもあります。
社会科に関係した人たちに,課せられたことって何でしょう。
それは,常に客観的に,冷静に大局的な判断ができることだと思います。
ほとんどの人の考え方や流れが決まっていたとしても,「ちょっと待て。」とリフレクションできる生き方をしてほしいのです。
それは,兵庫教育大学大学院を修了した者として,一般の方はみんな同じように見るわけですから,自分の生き方に自信をもって,これからたくさんの困難や試練に遭遇しても,気概のある生き方をしてほしいと思っています。
文科省が右を向けば,右を向く。
教育委員会や管理職が左を向けと言えばただ左を向くというのではなく,自分の意志で方向を決めてほしいのです。
もちろん,批判をすることが大事ではありません。
ただ一つの大きな潮流に自分の意志なく流されないようにしてほしいのです。
教育界は,とかく振り子のように揺れ動いています。
「新しい学力観だ。指導ではなく支援だ。ゆとり教育こそ21世紀の教育だ。」なんて言っていた人が,すぐに手のひらを返すように,「ゆとりはゆるみ教育でしかない。
今こそ,学力の向上を。」などと好き勝手に方向性を修正しています。
子どもたちに指導すべきことは,指導することが大切だし,学力を保障するのも当たり前のことです。
当たり前のことがぶれないようにしなければいけません。
不易流行と言いますが,修了したみなさんには,ぜひ軸のぶれない存在でいてほしいと希望しています。
二つは,「修了は,新たなスタートである。」ということです。
これは,私自身も経験してきたことなのですが,我々が大学院で学んでいた頃は,修士号を取得することが目的で来られていた人も多かったと思います。
それは,管理職に就くためには,教員の世界でも修士号がスタンダードになると言われていたからです。
そのため,修了したら本学との関係は終わり,研究生活とも終わり的な人が多かったのではないかと思います。
自分は,本学で学んだことで,教科教育の奥深さや教材研究の楽しさ,何より社会科教育のおもしろさや意義について真剣に考えるようになりました。
それは,数多くの先生方に出会い,刺激を受けながら学び,その後の教員生活こそが勉強の日々になったような気がします。
みなさんも修了されても,ゼミでお世話になった先生方や本学とのつながりを大切にされて,自分自身の成長のために,あるいはみなさんとかかわる数多くの子どもたちのために,自分自身が生涯にわたって取り組める研究課題を見つけてほしい,そのためのスタートであるということです。
また,前期は,講義のために参加できなかったソフトボールですが,後期になって参加をすることができて,いい運動になりました。
もっと若い頃だったら,パワーを見せつけることができたと思うのですが,体力不足を痛感する日々でした。
これからは,体力づくりに少しずつでも励んで,岩田先生や原田先生のように,いつまでも若々しくプレーできることを目標にしていきます。
みなさん方とまた何かの機会でソフトボールができることを楽しみにしています。
最後に,自分のホームページやブログでも大学での近況報告をしています。
これは,21世紀がスタートした2001年から自分でサイトを運営して7年目に突入しました。
昨年は,高校の世界史未履修の問題もあったので,2007年は,世界史の学習支援のサイトを設置する計画を立てています。
修了されても機会があれば訪問してください。


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