トライする気持ちを忘れてないかトライする気持ちを忘れてないか  戻る。戻る


第59回初等教育全国協議会が,2002年1月24日と25日の2日間開催されました。
全国からたくさんの参会者があり,授業を公開した社会科と総合学習の授業にも教室に入りきれない先生方に参観していただきました。
1日目の社会科の公開授業は,「
広島牡蠣」をテーマに行いました。
「広島と言えば牡蠣」というぐらい有名です。
広島でなぜ,牡蠣がたくさん生産されるのかを子どもたちが,調べ学習をした成果をもとにして,ウェッビング法を活用した授業でした。
ウェッビング法は,まだまだ開発中の授業方法です。
でも,「
社会科授業で,ウェッビング法と言えば」と全国の先生方から言われるように,一つの体系化されたものにウェッビング法をしたいという夢をもって取り組んでいます。
社会科の授業では,前文部省の教科調査官であり,現在,岐阜大学教授の北俊夫先生に,初めて,自分の生の授業を見ていただきました。
「とてもテンポのある授業でしたね。名人芸ですよ。子どもたちの認識のレベルもすごいね。よく育っていて驚きました。」
という心温まるお褒めの言葉をいただきました。
これも本校での研究会のおかげです。
先生とは,文部省の複式学級指導資料作成委員会以来のおつきあいです。
年に1度同窓会という形でお会いしていますが,今回は,わざわざ広島の地においでいただき,社会科シンポジウムにも指定討論者及び助言者で参加していただきました。
お忙しい中,本当にありがとうございました。
2日目の総合学習は,情報教育をベースにして取り組んでいる「
ひろしま再発見」の授業公開でした。
子どもたちが,自分の調べたいテーマで,年間を通して追究していますが,調べたことは,「自分のホームページで発信しよう。」という大きな目標をもって取り組んでいます。
子どもたちのコンピュータに適応する力は,すごいものがあります。
3年生になった当初は,戸惑いもあったようですが,基本的なことをちゃんと教えてあげれば,子どもたちは,どんどん適応していきます。
これから,どのぐらい成長してくれるのかを楽しみにしているところです。


本校に赴任して7回目の研究会でした。
公開授業は,何度やってもなかなかうまくいきません。
自分の満足する授業はなかなかできません。
授業別協議会や先生方からのアドバイスを参考にして,次回の公開授業では,また,がんばりたいと思っています。
本校に赴任して,初等教育全国協議会のような全国規模の大会を開催し,全国から多くの参観者に見てもらい質問やアドバイスを受けるのは,とても自分にとって刺激のあることです。
最近は,体力的にも精神的にもつらくなっている自分がいることも事実なのですが,このような状況にいられること自体を幸せに感じないといけないと思っています。


今年は,学校教育研究会の発表行事係担当で,大会を運営するためによく動きました。
特に,総合学習の授業公開と総合学習シンポジウムの開催では最後まで様々な議論がありましたが,成功をおさめることができたと思っています。
総合学習シンポジウムは,成城学園の高嶋先生,大阪の真田山小学校の衛藤先生,岡山の平福小学校の三宅先生の3名においでいただきました。
それぞれ特色のある実践を発表していただくとともに,熱い議論もできてよかったと思っています。
また,鳴門教育大学の小西先生には,1日目から参加していただき,総合学習のシンポジウムでは,適切なご意見をいただきました。
本当にありがとうございました。
自分は,コーディネーターとして,もう少しフロアからのご意見をいただき,それに対応した登壇者の意見交換をしたいと思っていました。
でも,フロアからのご意見をうまく焦点化できなかったという反省も残っています。
ただ,総合学習に関して,全国の先生方の興味・関心が高いことも改めて感じたところです。
昼からのシンポジウムに中・高講堂も満席の状況で,座りきれない方には,とてもご迷惑をおかけしました。
午後4時まで,多くの方に参加していただき,とても感謝をしているところです。


最近,自分のやっていることに対して,行き詰まりを感じていました。
愛娘を突然の病で亡くしすべてに気力をなくしたり,尊敬していた父との永遠の別れがあったり・・・・。
学校は学校で,明るい話題がなく,教官定員削減や予算の減少,子どもを取り巻く環境すべてに暗い話題ばかりで・・・・。
それにしても大学の附属でありながら,大学に比べてあまりにも低い予算と研究費です。
学校施設も広島市内の公立校に比べると悲惨な状況です。
何十年前の建物と設備の中で,明るい希望の光がまったく見えないことに,明らかに意欲が減退していく自分がいました。
また,自分の研究面でも,現場の日々の授業に役に立つような研究と,今の自分にとって最近意味を感じなくなった研究があります。
それは,大学の研究者がやっている「個人の業績のための研究」や「研究のための研究」というはざまの中で,自分が,何のために研究をしているのかという意味づけがなかなかできにくい状況にいたのです。
でも,今回の研究会を契機に,また再び社会科教育や総合学習,生活科教育に対するモチベーションが高まってきたように思います。
缶コーヒーのCMで流れている「トライする気持ちを忘れてないか。」というコピーフレーズを聞くたびに,今まで必死でやってきた自分が最近気力がなくなっていたので,自分に言われているように感じていました。
トライする気持ちはあるけど,あまりにもいろんな壁が大きすぎて,トライする気持ちを忘れようとしている自分がいたのです。
年齢も43歳になり,いろんな面で,あきらめモードになっているような自分がいたことも事実です。
でも,公開授業をすると,いろんな先生からの温かい励ましや,熱い質問を受けると,自分がやっていることを自信をもって継続していくことの必要性を感じます。
自分がやっていることを多くの先生方に分かりやすく説明をしていくことの使命感を感じています。
自分が関わっている子どもたちを見ていると,社会科授業における認識のレベルは,全国のどこに出しても恥ずかしくなくレベルに育っているという自信があるからです。
これからも,できる範囲でやれることをがんばってみようと思っています。


その一つは,「授業理論としてのウェッビング法の確立」です。
何とか体系化したものにまとめたいと思っています。
そして,二つめは,ホームページです。
これは,自分のオフィスのつもりで取り組んでいます。
社会科や総合学習に関するページをもっともっと充実させたいと思います。
そして,子どもたちにとって役立つ情報を提供する場とともに,全国の先生方や子どもたちとの交流を図る場として,位置づけていきたいと考えています。
2002年は,この2つのことを目標にがんばるつもりでいます。
みなさんぜひ,応援してください。

關は,まだまだ「トライする気持ち」を忘れないようにがんばりたいと思っています。
「命また燃えたり」


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