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【は】

【バイオテクノロジー　biotechnology】

 生命工学，遺伝子工学，細胞工学ともいう。生命にかかわる仕組みを解明し，産業に生かそうとするもの。従来からの伝統のある発酵技術のほかに，遺伝子組み替え操作や細胞融合などの技術が進み，医療・食品などを中心に幅広い応用分野が研究されている。

【廃棄物】

　ごみのこと。家庭からの一般廃棄物，オフィス・工場からの産業廃棄物，原子力発電所関連施設からの放射性廃棄物などがある。経済成長にともない，量が急増しており，処理場の不足，不法投棄，それにともなう環境汚染などの問題がある。

【ハイテクノロジー】

 先端技術，高度科学技術のこと。略してハイテクともいう。高度な技術水準の必要な科学技術分野。エレクトロニクス，バイオテクノロジー，航空宇宙，光通信，新素材，第５世代コンピュータ(→コンピュータを参照)などの分野の技術。多額の研究開発費と努力が必要とされる。

【廃刀令】

　1876年，明治政府が出した軍人・警官以外の帯刀を禁止した命令。1871年の佩刀(はいとう)の自由を認めた脱刀令を徹底したもの。不平士族が憤激し，敬神党の乱を引き起こす。

【廃藩置県】

　1871年，幕藩体制の旧態を解体し，全国を政府の直轄地とする改革。木戸・大久保らが提唱。薩長土３藩から御親兵を集めて武力を強化し，廃藩を断行する。旧藩の責務を新政府が引き継ぐ。全国３府302県，すぐ３府72県に整理される。1888年３府43県となる。

【幕藩体制】

　幕府を中心として，多くの大名がそれぞれの領地を支配すること。

【バーコード】

　ＰＯＳシステムに用いられる１３本の縦の線。工場で生産される商品の包装には，ほとんどついている。最初の２本が国名，次の５本が会社名，次の５本が商品名を表し，最後の１本はエラーチェックのためのものである。

【破砕精米(はさいせいまい)】

　加工原料に用途を限って一般主食用米より安く売り渡されるコメのうち，主食に転用されるのを防ぐ目的で，ローラーで砕かれたコメのこと。「破砕米」とも略され，変形加工米とも呼ばれる。青刈りと並び，日本のコメ政策が生んだコメ残酷物語のひとつである。

【バザール】

　イスラム圏の都市にみられる市場のこと。ペルシア語。アラビア語で，スークという。迷路のように入り組んだ狭い屋根つきの通りの両側に，業種ごとにまとまった商店や職人の工房が軒を連ねる。

【ハゼ】

　もち白米の粒が白く不透明になった状態のことを言う。

【土師器】

　はじきと読む。弥生土器の製法が，古墳時代に受け継がれ作られたもの。平安時代まで製作・使用された。焼成温度は，800℃前後だと言われている。主に日用具とされた。

【旗本】

　将軍直属の家臣で，御目見得を許される１万石未満の者。知行取・蔵米取の両様がある。享保年間で，約5,000人と言われている。旗本・御家人とその家来を合わせて，俗に旗本八万騎(はたもとはちまんき)と呼ばれた。

【ハッカー】

　本来コンピュータに詳しく高度なソフトウェアを創造することができる人々の尊称であったが，現在では，他人のコンピュータのソフトウェアやデータに害をおよぼすコンピュータウィルスなどを感染させる違法行為を行う人々を意味する場合に用いられている。

【発展途上国】

　先進資本主義国に比べて経済の発展が遅れている国のこと。開発途上国，後進国あるいは第三世界ともいう。国連の統計では，開発途上市場経済圏に分類される。国民所得が低いこと，モノカルチャー経済の傾向が強いこと，経済の対外依存度が大きいこと，封建的な身分関係や古い伝統的な社会構造が残存していること，第二次世界大戦後に独立した新興独立国が多いことなどを特色としている。世界の国々のうち，約８０％にあたる１５０余りの国が該当している。

【バテレン(伴天連)】

　ポルトガル語のパードレ(神父)の音訳で，外国人宣教師を意味する。

【埴輪】

　素焼きの焼物で，円筒(えんとう)・形象(けいしょう)の２種に大別され，古墳の表土に列をなして並べられた。製作動機は，土留め・器台形土器の発展・葬列模倣・殉死代用などの説がある。

【パノラマ地図】

　ななめ上空から地表を見下ろすような視点で地表の事象が立体的に見えるように描いた地図のこと。鳥瞰図ともいう。さまざまな観光地図や都市の案内図などに用いられる。

【バブル経済】

　1986〜1991年，地価と株価の異常高騰でふくらんだ経済。超低金利と金余りのため，巨額の資金が土地と株に流れて起こった。実態とかけ離れた泡のようだという表現である。バブルは，５２カ月続いたのち，1991年より日本経済は長期不況に入った。

【ハリケーン】

　カリブ海に発生して，西インド諸島からメキシコ湾岸の諸地方を襲う熱帯性低気圧のこと。８月から９月に最も多く発生する。風速は，秒速３３ｍ以上である。

【ハリス】

　T.Harris. 1804〜1878年。アメリカの外交官。アジア貿易に従事。のち1856年初代アメリカ駐日総領事として下田に着任する。清がアロー号事件の結果，天津条約を結んだ報が伝わると，それを利用して幕府を脅迫し，1858年日米修好通商条約の調印に成功した。

【バリアフリー barrier free】

　障害者や高齢者が，生活していく上での障害(バリアー)のない(フリー)社会をつくろうという考え方のこと。歩道の段差をなくす，階段にスロープをつける，バスのステップを下げるなどの対策が採られるようになる。

【パリ万国博覧会】

　1867年の第４回万国産業博覧会。万国博覧会は，1851年第１回がロンドンで開かれ，以後世界の大都市で開催。日本は，1867年のパリ万国博覧会に初参加している。葛飾北斎の浮世絵などを出品して，日本文化を世界に紹介した。

【パールハーバー】

　ハワイの真珠湾のこと。真珠湾攻撃を参照してください。

【早食い】

　その年収穫されたコメを，10月までに消費すること言う。米穀年度が11月からスタートするために，需給予測をする際，前米穀年度中に食べてしまった当年産米といった意味で使われている。ＴＶ番組などに登場する「早食い王」とは関係はない。

【蛮社(ばんしゃ)の獄】

　1839年の洋学者弾圧事件。知識人の集まりである尚歯会(しょうしかい)の蘭学者グル−プ(蛮学社中)の渡辺崋山・高野長英らが，小笠原島(無人島)渡航計画などを理由に逮捕され，無実であることは判明したが，モリソン号事件を批判したとして処罰された。

【阪神淡路大震災】

　1995年１月17日。神戸市を中心とする兵庫県南部地方でマグニチュード７．２の大地震が発生。6,300人の死者を出し，都市災害のすさまじさを認識させた出来事である。

【版籍奉還】

　1869年，諸藩主が土地(版図)と人民(戸籍)を返上した改革。大久保利通・木戸孝允らが建議。薩長土肥４藩主が奉還を出願，他藩主もならった。また，熊本藩のように，四民の別なく投票で議員を選出する藩議院の設置を目標としたところもあった。

【班田収授の法(はんでんしゅうじゅのほう)】

　６歳以上の男女に口分田を班給する制度のこと。良男２段(１段は３６０歩)，良女はその３分の２(１段１２０歩)，家人・私奴婢は良民の３分の１と定められている。６年ごとに戸籍が作られ，班田も６年ごとに実施される。(戸籍を作る翌年に実施される)唐の均田法にならい，農民の生活を保障し，徴税対象を確保するのが目的である。

【バンク(浅堆：せんたい)】

　大陸棚のうち，とくに水深の浅い部分のこと。一般的にプランクトンが豊富で魚類の産卵・生育に適して好漁場となることが多い。北海の中央部に位置するドッガーバンクが有名である。

【ひ】

【ＰＬ法】

　Products Liability Low のことで，製造物責任法のこと。1994(平成６)年に成立した，欠陥商品による被害者の救済を目的とする法律である。商品の欠陥や説明不備が原因で，生命や身体または財産に損害が発生した場合に，製造業者の過失の有無に関係なく，製造者が，消費者に対して責任を負うことを定めている。

【ＰＰＰ】

　Polluter  Pay's  Principle の略。汚染者負担の原則のこと。水俣病などの公害病認定患者の療養費や遺族補償は，公害を引き起こした企業が負担するという原則である。公害の賠償制度のこと。

【ＰＫＯ】

　Peace Keeping Operation の略。平和維持活動。国際連合が，治安維持や監視のための小部隊・監視団を紛争現地に派遣して，事態の悪化や拡大を防止する活動のこと。日本にも，国連平和維持活動協力法(PKO協力法)により，カンボジアの選挙監視などに参加してる。　

【ＰＫＦ】

 U.N.Peace Keeping Forcesの略。国連平和維持軍。国連加盟国が提供した，国連が指揮する武装部隊のこと。武力を行使できるのは，一般に自衛の場合のみであるが，必要に応じて交渉・説得・監視・調査をする権限が与えられる。

【光通信】

　光を通すガラス製の繊維や樹脂を利用した通信のこと。一度に多くの情報を伝達することができる。旭川と鹿児島の間約3400kmに，日本列島縦貫光ファイバーが敷設されている。

【光ファイバーケーブル】

　外径125ミクロン(0.125mm)で光の透過率の高い繊維(石英ガラス)である光ファイバーを利用したケーブルのこと。銅を用いた同軸ケーブルより多くの情報量を伝達できる。太平洋横断光海底ケーブルの場合，1992年11月から使用の TPC-4 では，電話で１万5120回線，1996年末からの TPC-5 では12万回線以上の大容量となる。 

【東山文化】

　１５Ｃ後半の文化で，応仁の乱を避けて，京都東山に山荘を営む足利義政を中心に，禅宗・明文化の影響を受けた芸術が開花する。慈照寺銀閣の書院造がシンボルである。

【備中鍬(びっちゅうぐわ)】

　田の荒おこし・深耕用の鍬。刃部が３〜４本に分かれる。近世初期まで，鍬は，木製の刃床部に鉄製の刃先をはめ込んだ風呂鍬だったが，中期には，備中鍬が全国に普及する。深耕が容易になり，生産が向上する。

【人返しの令】

　1843年，水野忠邦が行った強制的帰農策。江戸に流入した下層民を帰農させ，農村の再建を図ったものである。

【ヒトラー】

　Adolf Hitler(アドルフ＝ヒトラー)。1889〜1945年。ナチス党(Nazis 正式名は，国家(民)社会主義ドイツ労働者党である。1919年にミュンヘンで成立する。1921年ヒトラーが党首となる。)党首である。1933年政権を獲得する。以来，徹底したファシズム独裁政権として，ドイツを指導する。第二次世界大戦を起こし，敗北直前に自殺する。

【卑弥呼】

　諸国から共立された邪馬台国の女王。呪術を事としたので巫女(みこ）といわれている。239年に魏に使いを送っている。「親魏倭王」(しんぎわおう)の金印と銅鏡100枚を賜った。死に際して，大きな塚に葬られたという。

【ひめゆり隊】

　沖縄の女子中等学校７校の生徒が，看護要員などに動員され，白梅・瑞泉・なごらん・梯梧(でいご)・積徳隊などを編成した。従軍５８１人中３３４人が死亡する。ひめゆり隊は，県立第一高女・沖縄師範女子部の隊で３２２人。各隊の慰霊碑が建つ。

【氷河】

　万年雪が固結して氷となり，基盤を浸食しながら移動するものをいう。氷河には，大陸氷河と山地氷河がある。

【秤量貨幣(ひょうりょうかへい)】

　重さを計って価値を決めて使用した貨幣のこと。江戸時代の銀貨が，その代表である。１貫(約3.75kg)＝1000匁。

【平賀源内】

　1728〜1779年。本草学者・科学者・戯作者。讃岐高松の人。長崎遊学後，江戸で寒暖計・エレキテル(摩擦起電器)・石綿による火浣布(不燃布)を製作。洋画にも優れ『西洋婦人図』を描く。世に容れられず福内鬼外の名で戯作に没頭する。最期は，獄死をする。

【平戸商館】

　肥前の平戸島に開設した商館。オランダ商館は，1609年。イギリス商館は，1613年。イギリス商館は，1623年に閉鎖。オランダ商館は，1641年に長崎出島に移り，以後，日蘭貿易は長崎で行われた。

【品種】

　『コメ品種大全』に掲載された国産米は372品種。コシヒカリ，あきたこまち，ひとめぼれ，ヒノヒカリ，きらら397の作付け上位５品種で，全作付面積の57％，上位10品種では，72％を占めている。

【ふ】

【ファインセラミックス　fine ceramics】

　高純度の材料を使い，高度利用の可能な磁器のこと。耐熱，耐食，電気絶縁性などに優れる。金属にかわる新世代の材料としてすでに多くの分野で利用されはじめている。

【ファクシミリ　facsimile】

　種類や図面に書かれたことを電気信号に変えて電話回線で送り，受信側でその信号を熱や光で紙に再現する機械のこと。通常，ファックスと呼ばれているが，ファックスというのは，商品名である。

【ファシズム　fascism】

 もともとは，イタリアのファシスト党による独裁政治をさすが，ドイツのナチズムなどを含めて，国民の自由や権利を否定する政治のあり方を広くファシズムとよぶ。議会政治の否定，一党独裁，暴力による国民の自由抑圧などの特徴をもつ。資本主義体制の行き詰まりを独裁体制によって，打破しようとする理論と実践のことである。反民主主義の全体主義的な独裁政治の誕生が特徴である。イタリアのファシスト党(1919年結成される。党首は，ご存知ムッソリーニである)に始まる。

【ファッション産業】

　デザイン・色・素材など流行性の高い衣服などの商品を企画・開発・生産する産業のこと。多様化した市場や消費者のニーズに応え，新たに流行を創出するため，大きな市場と情報が集積する大都市に立地 する。パリ・ロンドン・ニューヨーク・東京・ミラノなどのほか，最近では，ソウルやバンコクの産業が急成長している。

【フィヨルド(峡湾)】

　氷食谷に海水が侵入してできた入江のこと。海岸は，Ｕ字谷の谷壁にあたるため高くけわしく，陸地を奥深くまで切り込んでいる。ノルウェー北西岸・イギリススコットランド西岸・グリーンランド・アラスカ・ニュージーランド南島・チリ南部の海岸に発達。

【フィールドノート(野帳)】

　野外調査の際に，観察事項を記入する手帳のこと。図や統計などが記入しやすいように紙面には方眼が入っている。

【フェートン号事件】

　1808年，イギリスの軍艦フェートン号が，オランダ船捕獲の目的で，長崎湾内に侵入，薪水・食料を強奪して退去した事件。ナポレオン戦争でオランダは，フランスの属国となったため，英仏戦争の余波を受けた事件である。

【フェーン】

　山地から吹き下ろす高温で乾燥した風。山嶺を越えた大気が山地斜面を下降する際に，温度が上昇し，相対湿度が減少する。アルプス地方特有な呼称であったものが，現在は，同種の風の一般的な呼称となっている。

【フォッサマグナ】

　大地溝帯のこと。本州中央部をほぼ南北に横断する大断層帯のこと。

【福祉国家】

　国民が健康で文化的な生活を営むことができるように社会保障制度(社会保険，公的扶助，社会福祉，公衆衛生など)の充実をめざす国家のこと。西ヨーロッパの先進資本主義国のうち，とくにスウェーデン・イギリスき福祉の完備した福祉国家である。

【武家諸法度】

　江戸幕府の大名に対する根本法典。1615年，秀忠の元和令を初めとする。家光の寛永令で参勤交代が整備される。城郭修理禁止などの政治規制・治安の規定・儀礼の規定を含み，違反者は，厳罰に処された。将軍代替わりごとに発した。

【武家造】

　武士の住宅建築様式。屋根は，板ぶきで，床には畳を敷かず，座るには，わろうだ(円座)という，わらや萱(かや)でつくったざぶとんを用いるような簡素なもの。ただ，広い屋敷になると，矢倉・物見櫓(ものみやぐら)や塀などの防備施設を備え，主人の住む母家，警備の兵士が控える遠侍(とおざむらい)のほか，厩(うまや)・馬場などが設けられていた。地頭の館は，この形式でつくられた。

【仏教】

　紀元前５Ｃ頃，インドでシャカ(釈迦)の教説によって展開された宗教のこと。バラモン教の階級制を否定し，無常(絶対的なものの否定)と無我(固定的自我の否定)を説き，中道(禁欲主義と快楽主義の否定)の実践により，苦悩のない安住の地にいたれるとした。聖地は，ブッダガヤなど。　

【仏教伝来】

　「日本書紀」には，552年に百済から聖明王(せいめいおう)が仏像・経論などを献じたとあり，公的伝来の初めとされる。しかし，「上宮聖徳法王帝説」や「元興寺縁起」には，538年伝来と記されている。現在は，後者が有力とされている。伝来の仏教は，北方仏教である大乗仏教の系列であると言われている。

【不凍港】

　冬季に海が凍結する高緯度地域にあるが，海流などの影響で凍結しない港のこと。ロシアの北極海沿岸のムルマンスク，キルナ鉄山(スウェーデン)の鉄鉱石の積出し港となっているノルウェーのナルヴィクなどがその例。

【風土記】

　奈良・平安時代に朝廷の命により，諸国で編纂された地名の由来・産物・伝承などを記した地方誌のこと。現在は，常陸，出雲，播磨，豊後，肥前の５カ国のものが残っている。

【不平等条約】

　法権・関税自主権などで締結国相互が対等でない条約。日本は，日米和親条約で，片務的な最恵国待遇を，修好通商条約で領事裁判権を認め，協定関税を容認して関税自主権を失った。これらの回復が明治時代の条約改正の重要課題となった。

【踏絵(ふみえ)】

　キリシタン検索のため踏ませた聖画像。長崎で1629年頃に開始。のちに真鍮製のキリスト・マリア像となる。長崎奉行が管理。これを踏む行為が絵踏(えふみ)で，九州北部中心に実施される。

【不輸・不入の権利】

　平安時代に入ると，荘園の持ち主である貴族は，いろいろな理由をつけて荘園の税を払わなくてもよい権利(不輸)や，役人が荘園に立ち入れない権利(不入)を獲得した。こうして，藤原氏をはじめとする有力な貴族や社寺は，多くの収入を得たのである。

【ブラックボックス】

　外側から操作はできるが，内部の仕組み自体はなかの見えない黒い箱と同様に分からない装置のこと。先端技術による物品の多くはこうしたものが多くなっている。

【フランシスコ＝ザビエル】

　Francisco  Xavier。1506〜1552年。スペイン人のイエズス会宣教師。アジア布教の途次，1549年鹿児島に渡来し，領主島津貴久の許可を得て布教。上京したが目的を達せず山口に戻り，領主大内義隆の保護を得て布教。ついで，豊後府内の領主大友義鎮を帰依させる。1551年インドに帰り，1552年中国布教を目指すが広州付近で死去した。

【プランクトン】

　水中の浮遊微生物の総称をいう。水中の無機塩(栄養塩)類をえさとする植物性プランクトンと，これをえさとする動物性プランクトンがある。

【フリッパー】

　ＣＭ時に次々とチャンネルを切り替える視聴者のこと。

【プロシア憲法】

　1850年にプロイセンで制定された欽定憲法である。大日本帝国憲法が模範とした憲法である。

【プロレタリア文学】

　プロレタリア(Proletarier)とは，無産者，賃金労働者のこと。ブルジョアの対語。大正・昭和初期の無産階級の文学のこと。第一次世界大戦後の階級対立激化を背景に，1921年『種蒔く人』を創刊以後，活発となる。

【フロンガス flon gas】

　炭化水素に塩素，フッ素が結合した化合物のこと。性質が安定しているので，成層圏までそのまま上昇し，紫外線の作用で塩素を放出して，オゾン層を破壊する。沸点が低く，不燃性であることから，スプレーなどの噴射剤，ルームクーラー，冷蔵庫などの冷媒，電子部品の洗浄剤などに多く用いられてきた。

【ブリザード】

　アメリカ合衆国北部，カナダ，南極地方に吹く地吹雪をともなう寒冷な強風のこと。

【文民統制(シビリアン＝コントロール)　civilian control】

 非軍人の文民が，軍隊(自衛隊)の指揮・統制権をもつこと。我が国では，自衛隊の最高指揮監督権は，内閣総理大臣がもち(自衛隊法第７条)，また，文民である防衛庁長官が隊務を統括し，政府や議会の民主的統制により自衛隊の独走を防ごうとしている。

【分布図】

　ある事象の数量や分布を表現した地図のこと。ドットマップのように点や小さな図形をちりばめて実数の分布を示す地図を絶対分布図といい，数量をいくつかの階級に区分して異なった彩色や模様で塗り分けるなど，相対的な比較を行いやすくした地図を相対分布図という。

【へ】

【米穀市況速報】

　米穀データバンクが日刊で発行しているコメ専門の情報紙である。創刊以来26年，通刊6800号を超えている。郵送版とＦＡＸ版がある。コメ流通業界では単に「速報」とも略称されている。

【米穀年度(べいこくねんど)】

　１１月から翌年１０月までを１年度する。平成９年１１月から平成１０米穀年度となる。英訳のＲｉｃｅＹｅａｒの頭文字をとって「１０ＲＹ」のように略記される。現代のコメ栽培の早期化が進み，９〜８月ないし，１０〜９月を米穀年度とした方が感覚的にはなじみやすいという要望も出ている。

【米粉調製品】

　海外で米を粉状にし，米以外の材料を一定率以上ミックスしたもの。単に米粉の場合，日本の輸入規制に抵触するので，このようにミックスしたのち日本に輸入される。輸入量は，間２０万トン規模である。

【平成不況】

　1991年から顕著になった不況。バブル経済の後遺症として各種金融機関は，多額の不良債権をかかえて危機に陥った。この金融逼迫(ひっぱく)が実体経済の不況に波及した複合不況で，バブル崩壊不況とも言われている。

【ペリー】

　M.C.Perry.マシュー・カレブレイス・ペリーのこと。 1794〜1858年。アメリカ東インド艦隊司令長官。1853年に，サスケハナ号に乗って浦賀に来航する。久里浜に上陸，国書(アメリカ第13代大統領：フィルモアが派遣する。)を提出して退去する。翌年再来日，日米和親条約の締結に成功する。『日本遠征記』を残している。

【ペレストロイカ　perestroika】

 ゴルバチョフが行った立て直し(再建・改革)政策の総称である。国内では，言論の自由化，情報公開，複数政党制の導入など民主化を進め，対外的にはデタント(緊張緩和)と軍縮政策の新思考外交を展開した。

【偏西風(へんせいふう)】

　中緯度高圧帯から亜寒帯低圧帯に向けて吹く恒常風。地球の自転にともなう偏向力の影響を受けてほぼ西風となる。

【ほ】

【保安隊】

　1952(昭和27)年，警察予備隊を改編して新たに創設された防衛機構で，その後，自衛隊に発展する。

【貿易】

　国と国との間で行われる商品売買のこと。輸出と輸入とから成り立っている。輸出入されるのは，目に見える形のある財と，直接見たり触ったりできないサービスがある。

【貿易港】

　外国との間で商品の取り引きを行う港。立地により海港・河港などに，機能により輸出港・輸入港・中継貿易港などに分類できる。貿易会社・倉庫・銀行などが多く立地する。

【貿易風】

　中緯度高圧帯から赤道低圧帯に向けて吹く，北半球では，北東の，南半球では，南東の恒常風のこと。

【貿易不均衡】

　２国間の貿易取引は，輸出と輸入が一致することはまれで，輸出超過や輸入超過が起こる。この輸出入額の差が大きいことを称して貿易不均衡という。極端な貿易不均衡が起こると，貿易摩擦に発展することが多い。

【貿易摩擦】

　1980年代，アメリカは，「双子の赤字」と呼ばれる巨額の財政赤字と貿易赤字とに苦しんだ。この間，日本の貿易は，黒字を続け，日米間に貿易・経済摩擦が激化した。アメリカは，日本に内需拡大と自動車・鉄鋼等の輸出規制，市場開放を求めた。

【封建制度】

　ヨーロッパ中世のfeudalismの訳。土地の給与を通じて御恩と奉公によって結ばれる武士の主従関係を指す場合と，小農民が移動の自由を奪われて農奴として領主に現物地代を納めている経済的社会制度を意味する場合がある。

【法の精神】

　モンテスキューの著書で，各国の様々な政治体制を比較しながら，自由と権力の均衡の重要性を説き，権力分立制を提唱した。

【法隆寺】

　７Ｃ初めに大和の斑鳩(いかるが)に聖徳太子が建立した寺院。斑鳩寺ともいう。金堂・五重塔・夢殿・伝法堂などがある。法隆寺金堂は，現存する世界最古の木造建築である。

【俸禄制】

　俸禄制とは，知行地を持たない武士に，俸禄，つまり，禄米・俸禄米・扶持米(もちまい)・切米などを支給する制度のこと。蔵米取(くらまいどり)というのは，禄米を支給される者のこと。例えば，銀行の頭取とか言うでしょ。○○取というのは，○○する，される人ということです。だから，禄米と蔵米取との違いは分かりますね。蔵米取の旗本・御家人は，春・夏・冬の３季に分けて，切米が支給されています。下級の武士は，給金として，銀が支給されています。

【戊辰戦争】

　1868年，鳥羽・伏見の戦いから翌年の五稜郭の戦いまでの新政府と旧幕府勢力間の戦争。官軍の東征，江戸城開城，越後の長岡城攻防戦，奥羽越列藩同盟の中心会津若松城攻撃などがあり，1869年五稜郭の戦いで旧幕府軍は降伏する。戊辰戦争を中心とする記録は，『復古記』に収められている。

【ＰＯＳシステム】

　ポスシステムと読む。Point of sales systemの略。販売時点情報管理システムのこと。商品につけられているバーコードを，その商品が売れた時点で自動読取装置に読み取らせ，販売地域・在庫・仕入など商品販売についてのあらゆる管理をコンピュータで処理するシステムのこと。

【ボーダーレス　borderless】

 近年の国際情勢の変化や情報の国際化の結果，従来の国と国との隔たりがなくなった事態のこと。具体的には，衛星放送や情報機器による情報の国際化や政治・経済における国際交流の場の拡大などをいう。

【ポツダム宣言】

　1945年７月，ベルリン郊外のポツダムで，トルーマン・チャーチル(のちアトリー)・スターリンが，欧州の戦後処理と対日戦終結方策を討議する。７月26日，英米中３国の名で，日本に降伏を勧告する。終戦の条件として，軍国主義の絶滅，領土制限，民主化促進などを列挙している。日本政府は，８月14日これを受諾して無条件降伏。戦後，占領政策の基点となる。

【北方領土問題】

　ヤルタ協定によるソ連の千島列島占領に対し，日本は，択捉島以南は，固有の領土と主張した。ソ連は，日ソ共同宣言で歯舞・色丹島の平和条約締結後の返還は約したものの，国後・択捉島の返還には応じない。1997年橋本龍太郎首相とロシアのエリツィン大統領との間で今世紀中の平和条約締結が合意されている。北方四島とは，歯舞(はぼまい)・色丹(しこたん)・国後(くなしり)・択捉(えとろふ)の四島である。

【ポーツマス条約】

　1905年９月，アメリカのポーツマスで調印した日露講和条約。日本の全権小村寿太郎，ロシアの全権ウィッテ。ロシアは，日本の韓国指導権を認め，関東州租借権とロシアの経営する東清鉄道の長春以南と付属利権を譲渡，樺太南半分，沿海州，カムチャッカ半島の漁業権などを得る。

【ホームヘルパー　home helper】

 老人世帯や心身の障害のため，日常生活に支障のある世帯に派遣され，食事や身の回りの世話をする介護福祉士のこと。

【ボラ】

　アドリア海沿岸地方で，主として冬に吹く寒冷な北東風。アドリア海背後の山地と海洋との気圧と気温の差により生じる。

【ボランティア　volunteer】

 社会や他人の福祉のために，自分の時間や技能などを自主的に，原則無償で提供する人びとや行為のこと。

【ホワイトハウス】

　アメリカ大統領の執務がなされる官邸のこと。ワシントンにある。そこには，首席補佐官をはじめ，多くの大統領補佐官や大統領法律顧問がおり，大統領の任務を助けている。

【本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)】

　神は，仏が仮に形を変えてこの世に現れたものとする思想のこと。後には，天照大神は，大日如来の化身と考えるなど，それぞれの神に仏を特定し，神の本来の姿である本地仏を想定するようになった。

【本能寺の変】

　1582年明智光秀が，主君織田信長を京都の本能寺に襲って殺した事件である。信長の長子信忠も二条御所で防戦の末自殺した。

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