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基本的人権とは････。　基本的人権の尊重とは？

　日本国憲法は，多くの基本的人権を保障している。基本的人権とは，人間として当然に有し，国家といえども侵すことのできない権利のことである。基本権または人権ともいう。

　日本国憲法を保障する基本的人権

(１)　自由権・・・・自由に生きるための権利　　

自由権がスタ－ト。　自由権は，１９世紀的な自由の権利である。

①　身体・生命の自由

　・　奴隷的拘束および苦役の禁止　　　・　令状のない逮捕の禁止　　　・　拷問の禁止　　　

　・　黙秘権の保障

　②　精神の自由

　・　思想・良心の自由　　　・　信教の自由　　　　・　学問の自由

　・　集会・結社および言論・出版その他いっさいの表現の自由

　・　検閲の禁止，通信の秘密

　③　経済活動の自由

　・　居住・移転の自由　　・　職業選択の自由　　・　財産権

(２)　平等権・・・・等しく生きるための権利　　

自由権の次は，平等権。　平等権は，すべての基本的人権の基礎となる。

　①　個人の尊重・・・・・・すべての国民は，個人として尊重される。

　②　法の下の平等・・・・差別の禁止。

　すべての国民は，法の下に平等であって，人権・信条・性別・社会的身分または門地により，

　・・・・・・・差別されない。(第１４条)

　③　両性の本質的平等

　婚姻は，両性の合意のみにもとづいて成立し，夫婦が同等の権利を有することを基本とする。

　(第２４条)

　④　政治上の平等

(３)　社会権・・・・豊かに生きるための権利　　

社会権　社会権は，ワイマ－ル憲法以来の20世紀的な人間らしさの権利である。

　①　生存権・・・・・・人間らしく生活できる権利。国は，社会保障の増進に努めなければならない。

　すべての国民は，健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。(第２５条)　

　②　労働基本権

勤労の権利

労働三権

　①　団結権・・・・労働組合をつくり加入する権利。

　②　団体交渉権・・・・労働組合が使用者と交渉を行う。

　③　団体行動権・・・・ストライキなど争議行為を行う。

　③　教育をうける権利・・・・・文化的な生存権といわれる。

　　子どもの権利・・・・能力に応じて，ひとしく教育を受けられる。

　　親の義務・・・・・・・子女に教育をうけさせること。　　

(４)　基本的人権を守るための権利　　　

　憲法の規定を理念だけに終わらせないような主権者国民の不断の努力が求められている。

　①　参政権

　　・　選挙権　　　・　国民審査　　　・　住民投票　　　・　国民投票

　②　請求権

　　・　裁判をうける権利　　・　損害賠償請求権　　　・　刑事補償請求権　

　③　請願権・・・・・おだやかに要望を申し出る権利。　　

(５)　新しい基本的人権　　

　新しい基本的人権とは････。　社会の変化に応じて，新しい基本的人権が生まれてきた。

　①　環境権

　・　大気・水・日照・通風や自然の景観は，万人が平等に享受する権利をもつ。　

　・　生命・自由・幸福追及の自由(第13条)　

　・　健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(憲法25条)

　②　知る権利

　・　国や地方公共団体などのもつ情報の公開を求める権利。言論の自由や参政権の前提。

　③　プライバシ－の権利

　・　私生活のことがらや，自分に関する情報は，みだりに公開されない権利。

　・　情報公開条例を定める地方公共団体が増えている。

　④　平和のうちに生存する権利

　・　憲法前文に明記されている。

　権利があれば義務がある。　

　①　勤労・・・・・勤労は，権利であるとともに義務である。

　②　教育

　　・　親は，子女に教育を受けさせる義務がある。子どもは，教育を受ける権利がある。

　③　納税・・・・・税金を納めること。

　権利と義務を。
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