＜か行＞　   戻る

【か】

【外食産業】

　内食(家庭内の料理)，中食(家庭で既製の惣菜・弁当を食べること)に対して，レストランや食堂などの食事を提供する産業のこと。ファミリーレストランやファーストフードの店の普及によって発展した。食品メーカーや商社などが支えるとともに，チェーン店が多い。冷凍技術の発展やモータリゼーションなどが外食産業発展の背景にある。

【懐石料理(かいせきりょうり)】

　茶会での料理のこと。懐石とは，温石(おんじゃく)で腹を温めることで，懐石程度に空腹をしのぐ料理という意味で名付けられたもの。

【回帰線(かいきせん)】

　熱帯と温帯の境界として用いられた緯線のこと。北緯23°27′。南緯23°27′。

【解体新書】

　最初の翻訳解剖書。1774年刊。４冊，付図１冊。前野良沢・杉田玄白らが，ドイツ人クルムスの『解剖図譜』の蘭訳『ターヘル＝アナトミア』を翻訳したものである。挿絵は，平賀源内に洋画の技法を学んだ秋田藩の小田野直武が描いている。

【貝塚】

　人々が食べ物の残りかすなどを捨てたところにできた遺跡。土器や石器破片なども捨てられている。大森貝塚・鳥浜貝塚などが有名。

【海底ケーブル】

　海底に敷設された通信用ケーブルのこと。太平洋・大西洋などを横断して敷設され，国際通信に利用されている。

【回遊魚】

　好適な水温と塩分・えさを求め，海流にのって季節的に移動する魚類。底棲魚(ていせいぎょ)の対語。回遊魚の近づく沿岸は，好漁場。かつお・まぐろなどの暖海性の魚やにしん・さんまなどの寒海性の魚がいる。

【海里】

　海洋上の距離の単位のこと。地球の円周の弧度１分の長さである。１海里＝1,852m。

【化学物質】

　環境を汚染し，人間の健康に被害を及ぼすと言われている。ＤＤＴ(殺虫剤)・ＰＣＢ(トランス油)などは，使用禁止された。現在は，魚類から検出されているスズ化合物，毒性の強いダイオキシンなどの汚染物質が問題になっている。

【華僑(かきょう)】

　国外に移住した中国人。人口過剰や政情不安定などの理由で，中国南部のフ−チエン(福建)省やコワントン(広東)省などから東南アジアなどに移住し，現地の経済分野で活躍する人が多い。一般に勤勉で理財にたけ，ときには本国に送金するなど一種の出稼ぎの形態をとるが，多くは，現地の国籍を得て定着する場合が多い。

【学習院】

　もと京都の公家学校。1877年，東京神田錦町に華族会館経営の私立学校として開設する。1884年，宮内省所管の官立化，1908年豊島区目白に移転する。1893年から1905年まで大学科を設置。第二次世界大戦後，私立学校となり，1949年学習院大学となる。

【学童疎開】

　疎開は，空襲被害を避けるために，工場・家屋・人口を分散すること。戦局悪化の中，大都会の学童を集団で強制的に地方の旅館や寺院などに疎開させた。集団疎開とも言う。1944年８月に始まる。

【核の冬】

　万一，地球上で大規模な核戦争がおこると，核爆発による煙などで，急速に気温が低下し，多くの地域で極寒の状態になるという。放射能による大気汚染からまぬがれても，食料生産がストップするため，大規模な飢餓が発生し，人類の生存は危機に直面すると言われる。冷戦時代は，よく言われた用語であるが，最近は，あまり聞かなくなった。

【隠れキリシタン】

　潜伏(せんぷく)キリシタンともいう。江戸時代，禁教にもかかわらず表面的には棄教を装い，マリア観音やロザリオ(数珠)などにより，秘かに信仰を持続したキリシタン。各地にいるが，長崎浦上の信徒はその例。

【かけがえのない地球】

　1972年のストックホルムで開催された国連人間環境会議のスローガンである。人間の生活舞台である地球が宇宙の唯一のものであり，地球環境の保全が全人類にとり，重要であることを示している。

【囲米(かこいまい)】

　備荒貯蓄・米価調節などのために籾米を貯蔵すること。幕府の囲米は，初期から行われ，諸藩へは，寛政時代に１万石について50石の割合で実施するように命じた。

【風】

　気圧の高いところから低いところへ大気が流れる現象のこと。

【過疎(かそ)】

　日本の高度経済成長期に国内の多くの地域で見られるようになった，人口流出により正常な社会生活を営めなくなる状態をいう。

【刀狩】

　1588年，秀吉が，諸国の農民から，方広寺(ほうこうじ)の大仏造営を口実に，武器を没収した政策。農民一揆を未然に防止し，兵農分離・身分の固定を図った。

【刀狩令】

　刀・弓・槍・鉄砲などの武器を百姓が持つことを禁止する。その理由として，次の３条がある。

【ガダルカナル島戦】

　日本軍の南太平洋進出に対し，米軍の反撃が1942年８月のガダルカナル島上陸に始まる。激しい攻防戦の後，1943年２月に日本軍は敗退する。

【勝海舟】

　1823〜1899年。名前は，勝義邦。海舟は，号である。1860年咸臨丸艦長として，欧米使節に随行。戊辰戦争の際，江戸高輪で西郷隆盛と会見し，江戸無血開城に努力。明治政府で，参議兼海軍卿。枢密顧問官。

【カード社会】

　クレジットカードやキャッシュカード，プリペイドカードなどのプラスチックカードが日常生活のあらゆる場面に浸透した社会状況のこと。

【家内工業】

　中世から近世にみられた，自宅で家族や少数の使用人を用いて小規模生産を行う工業生産形態をいう。

【金沢文庫】

　鎌倉中期に，北条実時の別邸内に開設された私設図書館である。仏書が多い。現在２万巻を収蔵している。

【狩野派】

　狩野正信・元信父子により成立した漢画系の流派。室町時代後半から江戸時代を通じて幕府の御用絵師として栄える。

【カピタン】

　オランダ商館長のこと。「甲比丹」と書く。1641年以後長崎にあったオランダ東インド会社の日本支店長である。多くは，在任１年で，毎年，江戸に参府し，将軍に拝謁(はいえつ)した。

【株仲間】

　幕府・諸藩から株札の交付を認められ，営業の独占権を与えられた商工業者の同業組織のこと。月行事，その他の役員が置かれ，寄合を開いて意志を決定する。競争防止・利益保護などを目指している。享保の頃から公認されている。田沼時代は，冥加金目的に積極的に公認される。天保の改革で一時解散となる。

【株仲間解散】

　1841年，江戸市中の物価高騰を抑制するため，菱垣廻船積問屋・十組問屋・その他の株仲間の解散を命じた法令。株仲間以外の新興商人も幕府の直接統制下に置く意図ともいわれる。しかし，市場の混乱により物価が騰貴し，1851年，株仲間再興令を出し，政策を修正する。天保の改革の政策の一つである。

【貨幣】

　商品交換を媒介するもの。貨幣の機能には，�@商品の価値尺度手段，�A商品の流通(交換)手段，�B決済手段，�C価値の貯蔵手段の４つの働きがある。初めは，貝や米などの物品貨幣であったが，やがて金銀などの金属貨幣となり，現在は，銀行券(紙幣)や硬貨が使用されている。

【鎌倉仏教】

　平安末期から鎌倉中期に興った新仏教。政治・社会不安の中で，末法の克服を願い広まった。新仏教には，浄土教系と法華経絶対の日蓮宗，宋から伝来した禅宗がある。新仏教で共通しているのは，どんな階層の人でも行いやすい修行(易行)を一つだけ選び(選択)，それを専心して行う(専修)ことである。下に新仏教を表でまとめてみました。

　鎌倉新仏教の特色

【上方漁法】

　漁業先進地である瀬戸内・熊野地方の漁法のこと。各種の網を使用。漁法には，地曳網や船曳網の他，大敷網のような魚群を網に誘い込む定置網もあった。

【過密】

　太平洋ベルト地帯を中心として人口が集中し，住宅難や交通ラッシュなどにより，快適な都市生活が営めない状態をいう。

【カルスト地形】

　スロベニア西部の地名に語源をもつ，炭酸ガスを含む水によって石灰岩が溶食されて生じた地形のこと。

【冠位十二階の制】

　603年制定。徳・仁・礼・信・義・智の６種を大小に分けて12階(大徳〜小智まで)とし，色別の冠を授ける冠位制度。氏姓制度の世襲制の打破，個人の功績による人材登用の道を開き，新しい官僚制度が整備され，豪族を律令下の官吏に編成していく第一歩となる。

【環境アセスメント(環境影響評価)　ennvironmental assessmennt】

　開発に際して，その開発が環境にどのような影響を与えるかを，事前に予測し，環境悪化を未然に防ぐ制度。我が国では，一部の地方公共団体を除いて，立法化されていない。

【環境基本法】

　新たな公害・環境問題や地球環境問題の進展などに対処すべく，従来の公害対策基本法，自然環境保全法を発展的に解消し，環境政策の基本を示すものとして，1993年11月に交付される。国，地方公共団体，事業者，国民の環境保全についての責務を明確にし，環境基本計画の作成や総合的な環境行政の推進を義務づけ，人類の福祉に貢献する視点で地球環境保全への国際協力の推進も明示している。

【環境庁】

　1970年，政府は，中央公害対策本部を設置する。1971年には，環境庁を置き，各省庁のばらばらな公害行政と環境保全施策の一本化を図る。

【勘合貿易】

　日明貿易のこと。1404年，足利義満が明と勘合(明が貿易統制のために使用した割符)による朝貢貿易を開始する。

【寛政異学の禁】

　1790年，定信が，紫野栗山の建言を入れ，儒学のうち朱子学を正学とし，それ以外の学派を異学として聖堂学問所で教授することを禁止したもの。朱子学の官学化と教学統制を図る。

【関税自主権】

　自国の関税率を自主的に規定できる権利のこと。日本は，安政の五カ国条約が協定関税でこの権利がなく，条約改正の努力で，1911年に回復する。

【環状列石】

　かんじょうれっせきと読む。円形に石を並べた配石遺構である。ストーン・サークルともいう。

【鑑真】

　唐の僧で，日本へ渡る決意をしたが，何度も遭難する。盲目となったが，ついに日本へ来朝。律宗を伝え，奈良に唐招提寺を創建した。また，東大寺に戒壇(かいだん)を設けた。(戒壇とは，僧侶に戒めを授け，僧侶としての資格を与える式場のことである。)

【貫頭衣】

　かんとういと読む。「魏志」倭人伝に伝わる婦人の服装で，ワンピースの類。男子は，インドのサリー類の形で，袈裟衣(けさい)と呼ばれる。

【関東ロ−ム】

　我が国の関東地方の丘陵から台地にかけて広く分布する赤褐色の火山灰土のこと。

【管理通貨制度】

　通貨の発行量を政府と中央銀行の管理下におく通貨制度。金の保有量とは関係なく，必要に応じて不換紙幣を発行することができる。国内の通貨量を調整しながら金融政策が実施でき，有効需要(購買力)の拡大が可能となったが，通貨量の膨張によるインフレを引き起こす可能性がある。1929年の世界恐慌により，世界各国は1931年以降，金本位制度から管理通貨制度へ移行した。

【寒流】

　高緯度地方から赤道付近へ流れる水温が付近の海水よりも低い海流のこと。プランクトンが多く，水産資源も豊富である。日本近海には，千島海流(親潮)やリマン海流がある。

【寒流魚】

　寒流系の海域に棲息する魚類。最適水温が，１０℃未満で，にしん・たら・ます・さけなどがある。

【咸臨丸(かんりんまる)】

　約300ｔの幕府の木造軍艦。1857年オランダから購入。欧米使節の随行艦(司令官は，木村喜毅(きむらよしたけ))となり，初めて太平洋横断に成功した。

【き】

【棄捐令(きえんれい)】

　1789年，旗本・御家人救済のため，札差の借金を破棄させた法令。６年以前の貸金を放棄させ，以後のものは，低利年賦返済とした。札差には，幕府が救済融資をする。1843年，天保の改革でも類似法を発令する。

【気温の逓減率(ていげんりつ)】

　気温の減率ともいう。海抜高度が増すにしたがい，気温が低下する割合のこと。海抜高度が，1,000ｍ増すごとに５〜６℃気温が低下(約−5.5℃と覚えておこう)する。大気が上昇する際に，断熱膨張を起こすことが原因である。

【気温の日較差(にちかくさ)】

　１日のうちの最高気温と最低気温の差のこと。

【気温の年較差(ねんかくさ)】

　ある地点における１年間の最暖月の平均気温と最寒月の平均気温の差のこと。

【基幹産業】

　ある国または，地域の産業活動の基盤となる産業のこと。経済の発達過程により，基幹産業の内容も変化する。戦後の我が国では，まず繊維である。次に，造船，鉄鋼である。そして，自動車産業。近年は，エレクトロニクス産業である。これらの産業が，順次経済成長を支えてきたのである。

【気候】

　ある一定の地方における長期間にわたる大気現象の総合的な平均状態のこと。

【気候要素】

　気候を構成する様々な大気の現象。気候の三要素は，気温・降水量・風である。その他にも，湿度・日照時間・日射量・気圧・風速・蒸発量・雲量などがある。

【騎射三物(きしゃみつもの)】

　鎌倉時代に武士の間で盛んに行われた笠懸・犬追物・流鏑馬の３種の馬上弓技をいう。

【技術革新(イノベーション)　Innovation】

 アメリカの経済学者シュンペーターにより，新技術の導入と新しい管理・経営組織の導入による各時代の産業上の変化を示す概念として使われた。ともに２０世紀を代表する経済学者であるケインズが需要の側に視点をおいたのに対し，シュンペーターは主著『経済発展の理論』(1912年)で，供給側にある企業家の野心的な挑戦によって技術革新が促進され，供給側の質的変化が経済の発展をもたらすと説いている。

【気象】

　地球を取り巻く大気圏内におこる自然現象のうち，雲・霧・雨・雪・雷・風や高気圧・低気圧・不連続線・台風などのように，とくに天気に関係ある現象のこと。

【季節風】

　モンスーンという。夏は，大洋上の高気圧地帯から大陸内部の低気圧地帯へ吹き，冬は，大陸内部の高気圧地帯から大洋上の低気圧地帯へと吹く。夏と冬ではその方向が逆になる風のこと。日本では，夏は，南東の風。冬は，北西の風となる。

【北里柴三郎】

　1852〜1932年。細菌学者。ドイツに留学して，コッホに師事。1889年破傷風菌の純粋培養，1890年抗毒素を発見する。帰国して，伝染病研究所所長，のち北里研究所を設立する。

【北大西洋条約機構(ＮＡＴＯ)】

　North Atlantic Treaty Organization 1949年，アメリカ・イギリス・フランス・イタリア・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・デンマーク・ノルウェー・アイスランド・ポルトガル・カナダの欧米12カ国が共産圏に対抗するため結成した集団安全保障機構のことである。北大西洋軍を持つ。1955年までに，ギリシア・トルコ・西ドイツが加わって15カ国に拡大する。1998年は16カ国，1999年には，19カ国に拡大している。

【北山文化】

　１５Ｃ初頭の文化で，足利義満による南北朝の合体・幕政確立という政治の動きを背景に，武家文化が公家文化を摂取して発展する基礎ができた。日明貿易や土倉・酒屋の商人層との結びつきなどで新しい要素を加えている。鹿苑寺金閣がシンボルである。

【奇兵隊】

　長州藩の正規の兵以外で組織された軍隊。1863年高杉晋作が下関の豪商白石正一郎の後援を得て組織する。隊員の約30％は庶民。第二次長州征討・戊辰戦争で倒幕軍の主力として活躍する。1870年に解散。隊員の毎日の生活や動向を記したものに『奇兵隊日記』がある。

【キャッシュカード　cash card】

 銀行などが，預金者に対して，発行する現金自動支払機用の出入金や振込みに利用するカードのこと。

【キャッチ・セールス　catching sales】

 繁華街の路上や駅頭などで，商品の購入を勧誘し，契約を結ばせる販売方法のこと。「アンケートに答えてください。」とか，「タレントになりませんか。」などと言葉巧みに通行人に近づき勧誘する。甘い言葉には気をつけたいですね。

【キャプテンシステム】

　キャプテン(CAPTAIN)システムとは，Character And Pattern Telephone Access Information Network Systemのこと。文字図形情報ネットワーク(Videotex)の日本版。情報センターの大型コンピュータに蓄積されたさまざまな情報を電話回線を利用して，利用者の端末機に文字と図形で表示するサ−ビスのこと。

【旧人】

　約20〜３万5000年前にいた化石人類。脳容積が1500ccもある。ネアンデルタール人が有名。墓の存在が認められる。

【旧里帰農令(きゅうりきのうれい)】

　1790年，寛政の改革で下層町人対策の一つとして出されたもので，江戸に流入した没落農民の帰村や帰農を奨励する法律である。天明の飢饉や下層町人中心の打ちこわしが契機となり出される。

【教育勅語】

　1890年発布される。教育の指導原理を示す勅語。元田永孚・井上毅らが原案を起草する。儒教的道徳思想を基礎に，家族国家観に立ち，天皇制の強化を図る。各学校に配布，奉読させた。敗戦までの教育の基本理念とされたが，1948年国会決議で失効を決議する。

【享保の飢饉】

　1732年の長雨とうんかの害による飢饉。西国一帯にわたり，飢民約200万人。米価は，４〜５倍に騰貴する。

【局地風】

　地方風のこと。吹く範囲が限定され，その発生原因や実態などが極めて特徴的な風で，それぞれの地方独特の名前で呼ばれる。

【極東風】

　極高圧帯から亜寒帯低圧帯に向けて吹く恒常風。地球の自転にともなう偏向力の影響を受けて東寄りの風となる。

【漁業専管水域】

　200海里漁業専管水域。沿岸国にだけ海洋の漁業利用を独占的に認めた水域のこと。最低潮位線から200海里の範囲で，この水域では沿岸国の許可がなければ，他国は操業できない。第三次国連海洋法会議で世界の大勢となったもので，経済水域の一部として取り扱われている。

【拒否権】

　安全保障理事会において，常任理事国５カ国がすべて賛成しなければ決議されないとするもの。大国一致の原則により，一国の独走を防ごうとするものであるが，反面，拒否権の乱用という問題もある。

【キリシタン】

　吉利支丹・切支丹と書く。ポルトガル語をそのまま読んだ語で，キリスト教及びその信者を指す。キリスト教は，天主教とも称された。また，キリスト教に入信した大名をキリシタン大名と言う。

【キリシタン国外追放】

　禁教令の発布後，1614年に幕府は，転宗を拒否した高山右近ら300余名をマニラ・マカオに追放する。

【キリシタン大名】

　キリスト教に入信した大名である。九州・近畿地方に多い。キリシタンを保護し，南蛮貿易を行う。大友義鎮・大村純忠・有馬晴信・黒田孝高らのほか，肥後宇土の小西行長，摂津高槻の高山右近らが有名である。

【切捨御免】

　苗字・帯刀とともに，武士の特権である。町人・農民らから法外な無礼を受けた時は，斬殺しても処罰されないこと。無礼打ちともいう。

【金閣】

　北山山荘。足利義満が，1397年京都北山に建てた３層の楼閣である。鹿苑寺金閣と呼ばれる。金閣の第１層は，寝殿造風の阿弥陀堂，第２層は，潮音閣と称する武家造風の観音殿，第３層は，禅宗様の仏殿である。第２・３層の外壁に金箔が施されている。1950年に焼失したが，1955年に再建される。

【銀閣】

　東山山荘。足利義政が，1489年京都東山に建てた２層の楼閣である。慈照寺銀閣と呼ばれる。銀閣の上層は，禅宗様で潮音閣と呼ばれ，下層は，書院造で心空殿の名をもつ。銀閣は，堂中に，観音像を安置しているので，観音殿と呼ばれた。銀閣と呼ばれるのは，銀箔を貼る計画があったことによる。

【近畿圏】

　京阪神を中心とし，福井・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・和歌山・奈良の２府６県を含む地域。京阪神大都市圏ともいう。重要文化財の保護，都市や農村の整備を目的とした近畿圏整備計画がある。

【禁教令】

　キリスト教禁止令。1612年秀忠の時，幕領及び直属家臣にキリシタン信仰を禁じ，翌年，全国に及ぼした法令。1614年には，キリシタンの国外追放を実施する。家光は，さらに禁教を強化し，高札などで徹底した。

【近郊農業】

　大都市近郊に見られる園芸農業で，葉菜類などの栽培を多毛作で行う農業をいう。　

【禁中並公家諸法度(きんちゅうならびにくげしょはっと)】

　1615年に幕府が出した朝廷・公家の統制法。１７条からなる。崇伝(すうでん)が起草。天皇の学問専念や公家の席次，官位・紫衣(しえ)・上人号の授与などを規定。また，大名や寺社への接近を警戒した。

【金肥(きんぴ)】

　金銭を支払って買い入れる肥料のこと。自給肥料の厩肥(きゅうひ)・堆肥などに対して言われる。干鰯(ほしか)・油粕(油菜の菜種や綿実などから油をしぼった粕)などが，木綿などの商品作物栽培に用いられた。

【金本位制度】

　一国で発行される通貨の基準が金におかれている通貨制度のこと。中央銀行の発行する銀行券は，金と交換できる兌換紙幣とされ，一国の通貨量は，中央銀行の保有する金の量に拘束される。金の価値が安定しているため，貨幣価値も安定し，インフレを防ぐことにはなるが，逆に金の生産量は多くないため，経済の拡大に応じて通貨を増やすことができない。現在では，金本位制をとる国はなく，管理通貨制度がとられている。

【く】

【公事方御定書】

　幕府の成文法。上下２巻からなる。大岡忠相らが編纂にあたり，1742年に完成。裁判や刑の基準を定め，連坐制を緩めた。上巻は，刑事・行政関係の法令書。下巻は，刑法・刑事訴訟法で，103条，『御定書百箇条』ともいう。

【くず米】

　籾すり〜米選工程で振るい分けられた低品位米のこと。米菓，みそ，穀粉，ビールなどの加工原料として使用されることが多い。比重選別機，色彩選別機などを使って選抜された上級品の一部は主食用として使われることもある。地方によっては，「青米（あおまい）」，「あおっこ」などとも呼ばれている。

【屈葬】

　死者の四肢を折り曲げて葬る埋葬形式。死霊の活動を防ぐためとの解釈がふつう。

【クーリングオフ(制度)　cooling off】

 消費者が購入申し込みをして代金を支払った後でも，一定期間内なら無条件で契約を解除できる制度のこと。消費者が頭を冷やして考え直すという意味がある。訪問販売や通信販売，割賦販売では８日間以内に，書面で契約解除の意思を伝えることが必要とされている。

【グリーンベルト】

　緑地帯。公園や植樹帯などのように，大都市の美観・防火・防災・公園・林地・農地などに利用されるほか，市街地の膨張防止のために設けられる。大ロンドン計画では，既成市街地のまわりには，グリーンベルトを設け，ニュータウンはその外側に建設される。

【クレジットカード　credit card】

 クレジット会社が会員に一定期間信用を供与する代金後払い方式のカードのこと。会員は，加盟店でカードを提示すれば，現金を支払わずに商品やサービスを提供され，後日，銀行などを通じて決済が行われるシステムである。

【黒潮】

　日本海流のこと。３０ｍにもおよぶ透明度と黒味がかった濃い藍色をもち，かつおやまぐろを回遊させながら日本列島東岸を北流する暖流のこと。

【黒船】

　１６Ｃ中頃から１９Ｃにかけて来航した欧米船の通称である。船体が黒塗りのため，秀吉時代から南蛮船にその名がある。1853年のペリ−来航は，日本に衝撃を与え，資本主義の圧力の象徴とされた。

【け】

【慶安の御触書】

　1649(慶安２)年に幕府が農民に与えたとされる心得３２条の触書。法令遵守・耕作奨励・衣食住の制限など生活の細部まで触れている。

【慶應義塾】

　1858年，福沢諭吉が江戸築地鉄砲洲の中津藩邸に開いた蘭学塾に始まる。1868年，芝新銭座に移り，慶應義塾と命名する。1871年，三田に移る。1890年大学部設置，1903年慶應義塾大学と改称する。

【計画都市】

　計画的に建設された都市のこと。平城京や平安京のように計画的に建設された都市は古代から多いが，現代でも新首都やイギリスをはじめ各国に建設されているニュータウンなど，計画的な新都市の建設が少なくない。

【計画予定米】

　出荷業者が集荷したコメのうち，計画流通米になるか計画外米になるかの結論を保留されているコメのこと。計画流通米にはそれぞれ助成金の限度ワクがあり，集荷・検査時点ではどのワクにはまるか確定できない場合がある。

【計画外流通米】

　計画流通米以外すべての流通米を指す。種子用米，くず米なども含まれる。呼称として言いにくいので「計画外米」と略されることが多い。
【計画流通米】

　取り扱い業者を国がある程度特定しているコメのこと。政府米（外国産米を含む），自主流通米，加工米の三つに大別される。

【慶賀使(けいがし)】

　徳川将軍の代替わりごとに，琉球王国が薩摩藩の監督の下に江戸に送った使節のこと。国王の即位を感謝する謝恩使と一緒のこともある。200余年に両者で20回が派遣された。琉球王国は，清国からも册封を受けて，册封使が来流した。清国には，毎年進貢船を派遣した。琉球は，日明両属であった。

【景観保存(景観保存地域)】

　開発などによる破壊から，地域の自然景観・文化景観・都市景観を保存・修景し，町づくり・地域おこしに生かそうとすること。ヨーロッパ各地でみられる歴史的景観を生かした都市再開発や日本の町並み保存など例が多い。

【軽工業】

　繊維・食品・雑貨など，高度な技術や資本をあまり必要とせず，主として日常生活に用いる比較的重量の軽い製品をつくる工業を総称していう。

【下剋上】

　下剋上とは，身分の下の者が，上の者にかつ(克つ・剋つ)という意味で，応仁の乱以後，下の者が上の者にとって代わるという意味で用いられる。

【元寇】

　寇とは，暴とか賊の意味で，１３Ｃにおける２度にわたるモンゴル(元)軍の日本襲来を指す。すなわち，文永の役と弘安の役を合わせて元寇と呼ぶ。

【原子爆弾】

　原子核核分裂により発生する莫大なエネルギーを利用した爆弾。1945年８月６日に広島で初投下。ついで８月９日に長崎に投下され，終戦の契機を作る。

【原人】

　直立猿人(ピテカントロプス＝エレクトゥス・ジャワ原人)・北京原人(シナントロプス＝ペキネンシス)などの化石人類。道具や火を使用していた。年代は，約160〜20万年前といわれている。

【元和偃武(げんなえんぶ)】

　偃(えん)とは，「とめる，やめる」の意で，大阪夏の陣で，戦いがおさまり，平和が回復したことを意味している。

【こ】

【小石川養生所】

　吉宗の時に，目安箱の投書によって，幕府の小石川薬園内に作られた施療施設。現在の東大植物園である。

【五・一五事件】

　1932年５月15日，海軍青年将校中心のク−デタ−のこと。陸軍士官学校生徒，民間右翼団体愛郷塾(正式名は，自営的勤労学校愛郷塾という。塾頭は，農本主義者の橘考三郎。茨城県の水戸につくられた私塾のこと。)も参加し，首相官邸・警視庁・日本銀行を襲い，犬養首相を射殺する。政党内閣に終止符を打つことになる。

【広域都市計画】

　従来の府県，あるいは市町村の行政区域のわくをこえた広い区域を対象とした都市計画。都市化の拡大にともなって，単に一つの都市のみならず都市圏全体の均衡のとれた発展をはかるために行われる。

【広域中心都市】

　行政や経済などの管理中枢機能が多く集中し，その影響力が隣接の数県におよんでいる各地方の中枢都市。札幌・仙台・広島・福岡などの都市が該当する。

【公海】

　領海の外側で，いずれの国にも属さない海洋のこと。すべての国の船舶の自由な航行，漁業などの経済活動の自由が認められている。これが，「公海自由の原則」である。

【光化学スモッグ】

　大気中の窒素(ちっそ)化合物などが，太陽光線(紫外線)によって化学反応をおこし，オキシダントを形成する公害のこと。目・のどがいたんだり，はき気がしたりする。

【公害】

　事業活動をはじめとするさまざまな人間の活動によって，自然環境を構成する諸要素のバランスが破壊され，生活環境の悪化や，人間の生命や健康にかかわる被害を生ずること。我が国では，1960年代以降，工業生産の急増や人口の都市集中を背景に，公害が激化し，大きな社会問題となっている。

【公害対策基本法】

　公害防止についての事業者・国・地方公共団体・住民の責務を明らかにするとともに，公害防止の基本的施策を示した法律のこと。1967(昭和42)年制定，1970年改正。大気汚染・水質汚濁など７種の公害を規制し，事業者・国・地方公共団体の責務を明らかにした。1993年，地球環境問題も盛り込んだ環境基本法を制定する。

【公害病】

　公害が原因となって引き起こされる病気。四日市ぜんそく・水俣病・イタイイタイ病などがある。

【工業化社会】

　産業の中心が農業から工業に移った社会。産業発展のメカニズムを解明したコーリン＝クラークによれば，産業は農漁業を中心にした第一次産業から，工業を中心にした第二次産業に移り，さらにサービス産業を中心とした第三次産業に重点が移っていくという。

【工業立地】

　工業が合理的な経営を営むために選定した場所。工業の種類により立地条件の組み合わせが異なり，同じ工業でも時代によって変化する。

《工業立地のタイプによる工業の分類》

【工芸作物】

　工業原料に利用するため栽培される作物の総称である。

　工芸作物には，以上のような６種類の作物があります。　

【甲午農民戦争(こうごのうみんせんそう)】

　1894年の朝鮮南部での農民蜂起，東学党の乱ともいう。東学は，カトリックの西学に対する呼称で崔済愚(さいせいぐ)が創始した民衆宗教。東学幹部らが農民軍を率いて大反乱となる。朝鮮政府は鎮圧できず，清国軍が救援出兵し，日本軍も天津条約を口実に出兵。農民軍は，朝鮮政府と和解した。

【硬質米(こうしつまい)】

　東北，北陸，山陰産以外の米を指す。旧来からの商慣習によるもので，必ずしも米質の特徴を意味しているわけではない。近年の品種改良等により，ますます「硬質米＝硬めの米質」とは言えなくなってきている。対語は，軟質米である。【豪商】

　近世初期の豪商は，権力者と結んだ特権的商人が特徴的である。戦国期から活発化した全国的な商取引や海外貿易の発達を背景にして，堺・博多・京都には巨大な富を蓄える豪商が出現し，物資調達を通して政治的にも大きな力をもった。

【工場制手工業】

　マニュファクチュアという。資本家が多くの労働者を集め，工場内で道具を用いて分業により生産させる工業生産形態のこと。

【工場制機械工業】

　従来の手工業にかわって機械を用い，大資本のもとに多数の労働者を工場に集めて大量生産を行う，産業革命期以降の工業生産形態をいう。

【恒常風(こうじょうふう)】

　惑星風ともいう。一年中ほぼ同じ方向に吹く風のこと。貿易風・偏西風・極東風がある。

【公地公民の制】

　大化の改新で打ち出され，以後，律令国家の基本制度である。土地と人民をすべて国家の支配の下に置くこと。

【公定歩合】

　中央銀行が市中銀行に資金を貸し出すときの利子率(金利)のこと。金融政策では，金融引き締めには，公定歩合を引き上げ，金融緩和には，公定歩合を引き下げるようにする。

【公武合体】

　公(朝廷)・武(幕府)の提携による政局安定策のこと。大老井伊直弼の死後，公武合体派は，孝明天皇の妹和宮を第14代将軍家茂と結婚させ，幕府の権威回復を図るが，攘夷派・倒幕派に圧倒される。

【高齢化社会】

　出産抑制などの結果，若年人口が減少し，６５歳以上の老齢人口の割合が相対的に高くなった社会をいう。

【高冷地農業】

　白菜やキャベツの栽培など，海抜高度の高い地方の冷涼な気候を利用して行う遠郊農業のこと。

【五街道】

　江戸日本橋起点の幹線道路。道中奉行が支配し，設備も整っている。東海道・中山道・日光街道・奥州街道・甲州街道の５つ。

【五箇条の(御)誓文】

　1868年３月発布の明治新政府の基本方針。初め諸侯会盟の議事規則として由利公正が原案を起草し，福岡孝弟が修正した。木戸孝允が加筆修正(福岡の修正案に「列候会議ヲ興シ」とあったのを木戸が「広ク会議ヲ興シ」と修正)して，列藩同盟の形を国の進むべき方針の形に改め，明治天皇が神に誓う形式で発布した。重点は，公議世論の尊重と開国和親である。

【国学】

　日本の古典を研究し，民族精神の究明に努めた学問のこと。復古思想の大成から尊王思想に発展する方向と文献考証の方向に進むものとがある。江戸時代中期以降に発達したが，国学の語は，荷田春満の頃より使われた。

【国際通信】

　国際間の通信メディアのこと。電話・ファクシミリ・テレックス・郵便・放送などがある。通信衛星(CS:Communications Satellite)の利用や光ファイバーケーブルの普及によって，ファクシミリやコンピュータどうしを結ぶデータ通信の比重が増えている。また，放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)・通信衛星を利用した衛星放送の普及は，リアルタイムで情報を授受できるようになるとともに，情報のボーダレス化を促した。

【国風文化】

　９Ｃ後半〜１１世紀の摂関政治の時代の文化である。遣唐使の廃止により，唐の影響が衰え，これまでの大陸文化を土台として，日本の風土に適応した文化である。その特色は，(１)唐文化を消化して，国内独特の国風文化が成立した。(２)浄土教の成立。(３)かなの使用により，国文学が発展する。(４)藤原氏を中心とする繊細・優美な貴族文化である。

【国民総生産(ＧＮＰ)】

　Gross  National  Product。一国の国民の１カ年の全生産物の価格から，原材料などの中間生産物価格を控除したもの。一国の経済力の大きさを示す。日本は，1968年アメリカについで世界第２位の経済大国に成長した。

【御家人】

　鎌倉時代に将軍と主従関係を結んだ武士のこと。将軍からの本領安堵などの御恩に対して，幕府に軍役や大番役・鎌倉番役などの奉公の義務を負って，強固な主従関係を形成した。江戸時代には，将軍直属の家臣で，旗本の下位にある地位の武士を指す。

【御三家】

　親藩中の最高位。尾張家・紀伊家・水戸家のこと。

【御三卿(ごさんきょう)】

　８代将軍吉宗の立てた田安家・一橋家，９代将軍家重が立てた清水家の３家をいう。大名の扱いは受けないが，御三家とともに，将軍後継ぎがない時に，将軍家を継いだ。

【コスト＝プッシュ＝インフレーション　cost push inflation】

　企業側における賃金や原材料費などの生産コストの上昇が原因で起こる物価の持続的上昇のこと。

【国家】

　一定の領域をもち，民族・文化・経済・社会・行政などに関して，一定の秩序のもとに国民を統合する政治的組織で，統治権を有するものである。

【骨角器】

　動物の骨・角・牙(きば)で作った釣り針・鏃(やじり)などをいう。

【穀検(こっけん)】
（財）日本穀物検定協会の略称のこと。国の委託を受けて国産・輸入米麦の検査を行っている。精米表示に関わる認証マークも運営している。

【五人組】

　年貢納入や治安維持などで，連帯責任を負う。1633年に制度化される。

【五品江戸廻送令(ごひんえどかいそうれい)】

　1860年，幕府は，雑穀・水油・蝋(ろう)・呉服・生糸は，江戸に送り，その需要を満たして，その後，横浜へ送らせるという法令である。その効果はほとんどなかったと言われている。

【五榜の掲示(ごぼうのけいじ)】

　1868年，五箇条の誓文の翌日に掲げられた人民の心得を表す５種の高札。(1)五倫道徳遵守。(2)徒党・強訴・逃散禁止。(3)キリスト教を邪宗門として厳禁。(4)外国人への暴行禁止。(5)郷村脱走禁止。旧幕府の民衆統制を継承したため，キリスト教(切支丹)邪宗門などが示された。

【古米】

　通常は，１度梅雨を超えたら古米になる。商慣習としては，新米の取り引きが盛んになる９月から前年産米を「古米」と呼び，前々年産米は「古々米（ここまい）」と呼ぶ。農林水産省では新たな米穀年度に入ったのち（１０月以降），前年産米を「１年古米」，前々年産米を「２年古米」のように呼ぶ。商取引の契約にあっては，単に新米，古米という名称ではなく「年産」を明示するほうが間違いない。

【ごみの分別収集】

　ビン・缶・古紙などを分別収集し，ごみの減量化と再資源化を目的とする。香川県善通寺市では，徹底した分別で得た収益を学校の備品代などで市民に還元している。

【ごみの有料化】

　ごみ減量化の有力手法である。料金徴収方法は，排出量に比例する「従量制」，排出量と無関係の「定額制」，多量のみ徴収の３つがある。事業系ごみ収集の有料化は，東京都や横浜市などで実施されている。

【コールドチェーン】

　低温流通機構のこと。生鮮食料品や冷凍・冷蔵品などを冷凍・冷蔵倉庫や冷凍・冷蔵設備をもった交通機関を利用して，低温のまま生産地から消費地へ輸送するシステムのこと。冷凍技術の進歩によって輸送距離が伸び，商圏が拡大されるとともに，消費生活がいっそう多様化した。

【墾田永年私財法】

　743年に制定される。開墾した土地は，永久に私有を認めた。これによって公地制の原則が崩れた。ただし，身分によって，墾田所有面積に限度が設けられた。

【コンビニエンスストア】

　多様な品揃えをもち，長時間の営業を行う小売店のこと。通常は，略してコンビニと呼ばれる。スーパーマーケットよりも小規模であるが，年中無休や深夜営業を行うことによって消費者にその便利さを提供している。

【コンピュータ　computer】

 高度の演算能力をもつ電子計算機のこと。最初のコンピュータは，無数の真空管を組み合わせた巨大な部屋のようなもの(第一世代)であったが，1960年代初頭にトランジスタが普及(第二世代)し，1960年代半ばには，ＩＣ(第三世代)，1970年代からのＬＳＩ，1980年代からの超ＬＳＩというように，その心臓部を高密度化し，小型化(ダウンサイジング)し(第四世代)，高性能化が進んでいる。さらに，非ノイマン型コンピュータ(第五世代)となっている。第五世代は，これまでのコンピュータが，人のつくったプログラムを逐次処理するもの(ノイマン型という)であったが，これからは，推論・学習・連想など，より人間に近い思考の可能なコンピュータへと進化していくことが求められている。

戻る