古代社会の概観
古代社会は,古墳時代・奈良時代・平安時代の呼称である。3世紀末以降出現する古墳は,首長権力の高まりをあらわし,大型古墳が多く分布する畿内を中心に,有力な政権が誕生する。この政権が大和政権である。大和政権は,中国・朝鮮と深い関係をもち,新しい文化を摂取した。特に,6世紀には儒教や仏教が伝来し,その後の日本の精神文化にも大きな影響を与える。大和政権は,諸豪族の連合政権であり,大伴氏・物部氏・蘇我氏などが主導権を争う。6世紀中頃,東アジアでは,隋・唐が成立し,朝鮮半島では新羅が勢力を拡大する。緊迫した東アジア情勢の中,聖徳太子の政治や大化の改新を経て,統一国家が建設されるのである。
701年大宝律令の完成,710年平城京の造営により,唐に習う統一国家建設が完成する。壮大な都では,国際色豊かな仏教文化が花開いたが,政治は,藤原氏と他の勢力との権力闘争に,あいつぐ陰謀と血なまぐさい事件で乱れ,民衆は律令制下の重い負担にあえぐことになる。桓武天皇は,平城京から平安京に遷都し,律令制の再建につとめるが,すでにその矛盾は,挽回の余地がないところまで進んでいた。10世紀になると,律令制が崩壊し,政治は,皇室と縁戚関係・他氏排斥により,権力を独占した藤原氏の手にうつり,摂関政治が展開されるのである。
遣唐使の廃止で国際的な文化の刺激を受けなくなった貴族たちは,国風文化を開花させる。摂関政治の後,政治の実権は,ふたたび皇室に戻り,白河上皇を初めとしする院政が展開される。土地制度では,寄進地系荘園が成立し,摂関家・大寺院・皇室に寄進が集中する。こうしたなか,徐々に土地の私有化が進み,自らの土地を守るために武装化した武士が誕生することになる。新興の武士は,次代を担う勢力へと成長し,平清盛が武士として初めて政権を確立するのである。
古代社会までの年代を覚えよう。
次にあげる年代は,必須の事項です。これをすべて覚えれば完璧です。歴史の流れの中で,重要な年代を列記しています。まずは,正確に覚えることから始めましょう。
年 代
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主 な 出 来 事
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約400万年前
57年
239年
4~5世紀
538年
593年
603年
604年
607年
630年
645年
672年
701年
708年
710年
723年
740年
743年
752年
794年
858年
884年
894年
935年
939年
1016年
1051年
1083年
1086年
1156年
1159年
1167年
1185年
1192年
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アウストラロピテクスが現れる。
倭の奴の国王が漢に使いを送る。
卑弥呼が魏に使いを送る。
大和朝廷による国土統一が進む。
百済から仏教が伝わる。(552年の説もある。)
聖徳太子が推古天皇の摂政となる。
冠位十二階を定める。
十七条憲法の制定。
小野妹子を隋に遣わす。(遣隋使)
第1回遣唐使が派遣される。(犬上御田鍬(いぬがみのみたすき))
大化の改新。(中大兄皇子・中臣鎌足)
壬申の乱。
大宝律令の制定。
和同開珎が鋳造される。
平城京に都を移す。(元明天皇)
三世一身の法。
藤原広嗣の乱。(九州の太宰府で反乱。)
墾田永年私財法。大仏造立の詔が出される。(聖武天皇)
東大寺の大仏の開眼式。
平安京に都を移す。(桓武天皇)
藤原良房が摂政となる。(人臣で最初の摂政)
(正式には,866年に任命されています。)
藤原基経が関白となる。(人臣で最初の関白)
遣唐使の廃止。(菅原道真)
平将門の乱。
藤原純友の乱。
藤原道長が摂政となる。(藤原氏の全盛)
前九年の役。(1051年~1062年)
後三年の役。(1083年~1087年)
院政が始まる。(白河天皇)
保元の乱。
平治の乱。
平清盛が太政大臣となる。
平氏が壇ノ浦で滅ぶ。(源義経)
源頼朝が征夷大将軍となる。(鎌倉幕府) |

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