お米について考えよう。
　お米は，古くから日本の主食です。稲作は，栽培技術の進歩と政府による米の買い上げ価格の維持によって，日本の農業生産の中では安定した部門でした。しかし，最近，米があまるようになり，政府の生産調整(減反政策)の結果，稲作をやめて野菜や果実を生産する農家が増えています。でも，お米は，日本人の文化そのものであり，６年生の歴史学習との関連もあり，５年生の社会科の授業では，一番重要な学習材であると先生は考えています。あまり教科書や参考書に載っていない話題で，子どもたちが，授業の中で，素朴な疑問を投げかけてくれたことを中心に取り上げたいと思います。

Ｑ１．　日本の農業は恵まれているの？　

Ａ１．　とても恵まれています。

　みなさんは，せまい耕地に多くの肥料や農薬を用いる集約的農業のイメ−ジがあると思いますが，それだけではありません。農業は，人間が生きていくことにもっとも深くかかわっている産業です。日本は，農業にとって大切な太陽光線の恵み，水，土という環境条件に恵まれています。ヨ−ロッパが，氷河が削り取った大地であり，連作ができないので，三圃式農法(３年に１度は休耕にする)や四圃制(牧草→カブ→休耕→麦など)にならざるを得ないのに比べ，日本は，河川が運んできた肥沃な土壌です。連作も可能で，土地利用率も100％以上です。また，牧草の生産力は，１ha当たり，アメリカは，３トン，フランスは，６トン。日本は，・・・・実に３０〜７０トンもあると言われています。

Ｑ２．　農家というのは，日本では共通の定義があるの？　

Ａ２．　東日本と西日本では違います。

　日本では，経営耕地面積が，東日本では１０a以上，西日本では，５a以上の農業を営む世帯を言います。これ以下でも，過去１年間に自分が作った農作物を１０万円以上販売した世帯です。ＥＣでは，農用地面積１ha以上の農業経営で自給的生産者を除いたものであり，条件が厳しいようです。日本では，1985年に大きく定義が変化しました。そこで，自家用の米しか作らない自給的農家あるいは飯米農家もかなり多く見られます。

Ｑ３．　日本人の文化の中心はお米なの？

Ａ３．　そうです。お米です。日本の人口の推移を見ると，縄文時代には約27万人だったのが，弥生時代には約60万人。奈良時代には，600〜700万人と増えています。これは，お米の生産量が増えるのにしたがって増加したと言われています。まさに米は，命をつなぐ大切な食べ物なわけです。また，米は，食べ物としてばかりではなく，日本人の慣習や儀式の中に，今日でも深くかかわりをもっています。

　たとえば，日本各地での夏祭りや秋祭りは，田の神に豊作を祈ったり，感謝することに由来しているといわれています。また，田楽（でんがく）などの芸能も田植えのときのお囃子や歌が始まりだといわれています。相撲の土俵入りは，「四股」をふむというのがあります。これは，大地をふみ，わざわいを追いはらい，豊作をもたらす田の神の力が田から消えないようにするという意味があったと考えられています。

　「さるかに合戦」や「おむすびころりん」などの民話や昔話などにも米をテーマにしたものがたくさんあります。大切な儀式である誕生祝い，結婚式，葬式（そうしき）などには米の神秘的な力にあやかろうと，白いごはんを高く盛って神物などに供えたり，米（精白米）を塩とともに供えたりする習慣も残っています。このように，米は，現代でも我々日本人の生活文化に深く根づいているのです。

Ｑ４．　五穀豊穣(ごこくほうじょう)とは何なの？また，石(こく)とは何？

Ａ４．　米，麦，あわ，まめ，ひえ(きび)のことを五穀といいます。米１石(１５０kg＝１８０�g)とは，人間１人の１年分のお米にあたります。○○藩３０万石。というのは，３０万人分を養えるだけの米が収穫できたという意味です。そう考えると100万石というのは，すごいですね。江戸時代の初期は，約２５０万haしか水田はなかったと言われています。１０a当たり２００kgの収穫ですから，１人１石とすると３４０万人分しかないありません。ですから，米は，毎日食べられないものだったということです。お米は，ごく一部の人しか食べられないもので，神様に供えるとか，ハレの日に食べるものとされていました。一般庶民は，イモ類，麦，あわ，まめ，ひえを食べていました。日本人が米をたっぷり食べられるようになったのは，大正時代以降であると言われています。

　ここで，お米に関する単位を確認しておきましょう。

Ｑ５．　イネが育つ条件は？　　

Ａ５．　生育期間中は高温多雨であることが条件です。１７〜１８℃の気温と1000mm以上の降水量を必要とします。世界の９０％がモンス−ンアジアで生産されています。原産地は，インドのアッサム地方から中国のユンナン(雲南)を結ぶ地方です。

Ｑ６．　おいしい米とはどんなお米なの？　

Ａ６．　おいしいお米の選び方があります。�@粒がそろっている。�A粒がふっくらしている。�B色ツヤがよく半透明なもの。でも，お米は，袋に入っているので見た目ではなかなか選べないですね。だから，お米の産地と名前で選ぶのが普通ですよね。○○産の△△△△というように。お米のおいしさは，通常，�@ねばりがある。�Aある程度のかたさがある。ということで決まります。ジャポニカ種が，パサパサとするインディカ米よりも好まれている原因もここにあります。これを科学的に裏付けることを考えると，次のようになります。

　最近は，近赤外線を使って化学的成分を測定する機械でも米の味試験が行われています。でも，１台数千万円もする機械を購入するのは，どの部署でもできるかと言えば難しいのが現状です。結局，頼りになるのは，人間の舌です。お米の食味試験は，�@外観�A香り�B味�C粘り�D硬さ�E統合の６項目でチェックされます。−３〜＋３の７段階で評価され，味ランキングが公表されるようになっています。

Ｑ７．　「でんぷん」とは何？

A７．  お米には，良質の炭水化物が含まれています。我々の食べたお米は，グルコース(ブドウ糖)などの糖に分解され吸収されることになります。糖は，細胞によってエネルギー源として使われるほか，様々な生体物質合成の材料となります。でんぷんとは，植物の代表的貯蔵物質で，多糖類の仲間に入ります。次の分類を参考にしてください。

Ｑ８．　おいしいごはんの炊き方ってあるの？　　

Ａ８．　あります。おばあちゃんの時代には，「はじめチョロチョロ　なかパッパ」などという炊き方もありました。お米のとぎ方一つにも凝っている方も多いのです。

�@　水洗いは素早く。

　・コメ粒についているヌカをとるのが目的。３・４回でよい。必要以上やるとでんぷんがとけ出してうま味が逃げてしまう。のんびりだとヌカの成分がコメ粒に入り込む。(ヌカ臭い。腐りやすいごはん。)

　・米を軽くかき回し，手のひらで押し出すようにして前にずらしシャッシャッとリズムをつけてできるだけ手早くとぐのがこつです。

�A　適量の水を適当な時間で。

　・容積の１，２割増し。夏は，30分〜１時間。冬は，１・２時間必要。コメ粒の中まで水を吸っていないと，ふっくらしたご飯にならない。(コメ水分は，12〜13％。炊きあがったご飯は，60〜65％になる。)

�B　炊きあがったらフキンを。

　・コメ粒の表面がぬれて，その水が逃げて表面がかわく。→でんぷんのアルファ−化が完了する。フキン１枚はさみ余分な蒸気取る。

Ｑ９．　安くてまずいお米をうまく感じさせるワザはあるの？　

Ａ９．　あります。混米(ブレンド)技術があります。ウィスキ−やコ−ヒ−でも普通に行っています。値段が高い・味のよいお米と値段の安い・味の劣るお米を混ぜて，おいしいブレンド米になります。米袋に，○○％と書いてあるので，意識して見てみるといいですね。

Ｑ１０．　古米とは何ですか？また，玄米と白米の違いは何ですか？　

Ａ１０．　梅雨を超した米を古米といいます。２度梅雨を超すと古々米(ここまい)と言います。３度だと古々々米(こここまい)になります。お米は，籾(もみ)→玄米→白米という流れがあります。籾は，生きている状態です。つまり発芽をします。アメリカでは，通常，籾で貯蔵しています。籾殻を取り去ったものが，玄米であり，胚芽さえ傷がついていないと発芽します。つまり，玄米とは，半死半生の状態です。玄米を精米したのが，白米と言われます。芽は当然出ないので，白米は，死に体であると言えます。白米自体は，でんぷん質を中心とした細胞の固まりで，芽が出たあと栄養を供給するためにあるものです。それ自体に生命力はありません。

　玄米は，白米に比べると栄養が豊富であると言えます。玄米が，ビタミンＥ，ビタミンＢ１が１００あるとすれば，白米は，ビタミンＥは０，ビタミンＢ１は，２〜３しかありません。白米は，玄米のまわりの繊維と胚芽をのぞいた分，栄養分つまり，タンパク質が少ないのです。栄養と言えば，米ぬかには，栄養分がたくさんあります。お米のとぎ汁を捨てるのは，もったいないことが分かりますね。

Ｑ１１．　どんなお米にしたいと思って品種改良するの？　

Ａ１１．　品種改良は，�@寒さに強いお米。�A病気に強いお米。�B安いお米。�Cおいしいお米。という４点に集約されます。例えば，寒さの厳しい北海道では，遺伝的にアミロ−ス含有量の低い品種を選抜(気温が低いとでんぷん中でのアミロ−スが多くなってしまう)し，それに耐寒性をつけることを改良の目標にして，きらら３９７を生み出しました。品種改良をするのには，ちゃんと目的があるのです。病気に強いお米にしたいと思うのは，病気に弱いと農薬をまく回数が増えてしまいます。農薬をたくさん使ったお米は，いくらおいしいお米ができても安全性が？ですよね。また，安いお米というのは，たくさんの収穫ができるということです。たくさん収穫できれば，それだけ安くすることができるからです。また，国の試験場でできた品種には，「農林○号」という名前がついています。(ササニシキ・・・・農林150号，ひとめぼれ・・・・・農林313号)最近は，国や県だけでなく一般の会社でもどんどんと品種改良が行われています。

Ｑ１２．　お米の名前は，どうやってつけるの？　

Ａ１２．　だいたい３通りの方法があります。

�@　品種改良を育成した試験場または産地の名前をとってつける。

�A　イネの性質からつける。

　・　○○チカラ・・・・・たくさんとれる品種。

　・　○○ワセ・・・・・・・早く実る品種。

　・　○○錦・・・・・・・・・酒つくり用品種。

　他にもニシキ，ヒカリ，マサリ，ホマレ，コガネ，ホナミなどがある。

�B　名前を募集してつける。

　・　人々の願いや地域性が出てくる。

　「夢つくり」「はつなのり」「めぐりあい」「ときめき３５」「こころづくし」「おきにいり」白雪姫」

　「ゆきの精」「ゴロピカリ」「おわら美人」「雪化粧」「かけはし」「ゆめさんさ」など

●コシヒカリ・・・・ ・・・あざやかなあめ色に熟する越(こし)の国（北陸）の品種であることから。

●あきたこまち・・・・・秋田生まれの美人，小野小町にちなんで。おいしい米への願いをこめて。

●ひとめぼれ・・・・・・色・つやが美しくおいしい米であることから“一目ぼれ”するように。

●ヒノヒカリ・・・・・・・・陽(ひ)は西日本，九州を表わす。陽のように光りかがやいている米だから。

●きらら397・・・・・・・きらきらと美しい米で，北海道で育てられた３９７番目の品種だから。

●ササニシキ・・・・・・おいしい品種のササシグレとじょうぶな品種のハツニシキの両親の名をとってつけられた。

●キヌヒカリ・・・・・・・ごはんの色が白く，絹のようにつややかな米だから。

●日本晴・・・・・・・・熟した色があざやかできれい。新しい育成法第１号の品種であることを記念に。

●むつほまれ・・・・・陸奥の国（青森）で育った米。誉れ(ほまれ)高く育つことを願ってつけらた。

●はえぬき・・・・・・・米どころ山形の“生え抜き”の米が大きく飛躍し続けることを願ってつけられた。

　現在では，おもしろい名前のお米が増えています。おもしろい名前のお米を見つけたら，先生に教えてください。また，先生は，米の袋を約２０年間集めています。おもしろい袋があったら先生にプレゼントしてください。もちろん，中身のお米は要りませんから。

Ｑ１３．　「有機」とは何のこと？　　

Ａ１３．　「有機」とは，「有機」生命や生活力をもったものです。自然のメカニズムに合ったシステムです。堆肥(わら，草などを腐らせて作った肥料)は，木の葉などをバクテリアなどの微生物が分解してつくるものであり，土壌にフカフカして水や空気を通しやすいものです。「有機」の対語は，「無機」です。無機とは，化学合成物である化学肥料や農薬が「無機物」であり，生活機能を持たないものです。化学肥料をたくさん入れると土壌に微生物やミミズが生きられません。当然のことながら野菜なども健康には育たないことになります。

Ｑ１４．　日本のお米のル−ツは？　　

Ａ１４．　赤米と言います。玄米のヌカ層に赤紫の色素を含んでいるため，蒸したり炊いたりすると赤いご飯になります。今，おめでたいときに食べる赤飯とは，違います。でも，味やかたさは似ているようです。

Ｑ１５．　世界三大穀物とは？　　

Ａ１５．　小麦・米・トウモロコシ(コ−ンcorn)を世界の三大穀物と言います。米と麦は，世界の二大穀物とも言われます。トウモロコシは，糖分，リン，カルシウム，タンパク質，ビタミン類を豊富に含み，食糧としても飼料としてもまた，でんぷん，油脂などもとれます。しかし，トウモロコシが育ったあとの土地は，どんどんやせていき，「悪魔の作物」とも呼ばれています。アメリカ五大湖南西に広がるコ−ンベルトの砂漠化が見られます。

Ｑ１６．　イネが最もこわいものは？　　　

Ａ１６．　「いもち病」です。この中で，葉がかれてしまうのが「葉いもち」。お米か実らない「ほいもち」があります。江戸時代に起こった三大飢饉(享保・天保・天明の大飢饉のこと)の原因の一つは，浮塵子(うんか)でした。浮塵子とは，ツマグロヨコバイという形は，セミの形で，大きさは，５mm程度です。いつの時代でも害虫が困りものですね。

Ｑ１７．　イネが穂を出すのはどうして？　　　

Ａ１７．　イネが葉を伸ばし穂を作り出すまでの期間を基本栄養生長性といいます。これが大きいと，しっかり葉を伸ばし，体づくりを十分に行うわけです。穂を出すとイネは，大きくなるのをやめ，モミという入れ物を作り，モミの中に養分を送って玄米を作るようになります。このイネが，穂を作り出すには，２つの性質があります。その２つの性質は，南の地方と北の地方で違っています。南の地方では，昼が短くなると穂を出す感光性という性質が関係します。それに比べ，北の地方では，気温の上昇を感じて穂を出す感温性の性質が関係してきます。イネは，夏の平均気温が１℃高いと，１０aあたり約１７kgの収穫量が増加すると言われています。いかに光と気温が大切かというのが分かりますね。

Ｑ１８．　お米の形は，どんな形は？またお米の種類は？　　

Ａ１８．　米の形状は，長粒米（インディカ種）・中粒米(ジャバニカ種)・短粒米(ジャポニカ種)の３種類に分けられます。長粒米とは，一番長い形のお米です。調理されるとバラバラになりやすく，軽くふわふわした感じです。インディカ種がこれにあたります。ピラフやカレー，炒飯に適しています。中粒米は，ふっくらした形ですが，円形ではありません。調理をすると粘りが出ますこれは，ジャバニカ種といいます。ジャバニカ種は，幅が広く，大粒なのが特ちょうです。味はあっさりしてねばりがあります。３種類の中では，一番短い粒の形が，短粒米と呼ばれます。短粒米は，ほぼ円形に近い米で，くっつきやすい性質です。みんなが食べている日本のお米であるジャポニカ種は，これにあたります。

　また，お米は，粒の性質から大きく分けると２つに分けられます。うるち米ともち米です。�@うるち米(ご飯に炊いて食べる。コシヒカリが代表的。)�Aもち米(蒸したり，炊いたりするとすごく粘りが出る。おもちやお菓子のかきもち（おかき）の原料です。)
　つまり，お米の種類は？と言われれば，うるち米ともち米と答えるといいでしょう。形状の種類は？と言われれば，長粒米や短粒米。また，産地によって形状が違うので，そのお米の種類は，インディカ米(あるいは種)とジャポニカ種が有名です。ほかにも赤米，香り米，酒米などがあります。

Ｑ１９．　日本では，どんなお米が作られているの？　

Ａ１９．　日本では，その地域の土地や気候にあわせて作ったり，消費者の志向を反映したりしてお米を作っています。各県の代表的なお米は，次の通りです。授業配布最新資料　こちら

　平成13年産水稲の産地品種別収穫量の現状

　　(農林水産省統計情報部が平成13年3月14日公表した資料を基に關が作成しました。)


　　全国的にコシヒカリ全盛ですね。ササは，北。コシは，全国と覚えておきましょう。他にどんな気づきがありますか。

　平成13年産水稲うるち米の品種別作付見込面積(食糧庁の資料です)ベスト２０

　　詳しくは，http://www.japan-rice.comにアクセスしてみてください。

Ｑ２０．　６月１日に田植えをしたら，何月何日に稲刈りができるでしょう。広島の各月の平均気温を使って計算して求めなさい。

Ａ２０．　この問題は，先生の大好きな問題ですね。積算温度を使って考える問題です。(積算温度の意味が分からない人は，用語辞典を参照してください。)

　稲は，穂が出る時期は，積算温度が，1,700℃を超える時期です。稲刈りの時期は，それから，1,000℃を超える時期になります。ですから，総計2,700℃を使用して問題を考えていきます。

　天候が不順であると，当然，計算が狂うわけですから，収穫量も変化してしまいます。気温は，とても重要なことが分かりますね。もちろん，いくら穂が実ってもその前に台風でも来たら・・・・・。米づくりもなかなかたいへんですよね。
　次のパターンの問題にも対処できるようにしておいてください。
　「１０月１０日に稲刈りができるためには，何月何日に田植えをしたらいいでしょう。」というパターンの問題です。

Ｑ２１．　米の袋の表示は，どうなっているの？

Ａ２１．　　平成１３年４月１日から，米（玄米及び精米）の表示制度が，次の図のように，ＪＡＳ法（農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律）に基づく表示に変わりました。 お米を買おうとする際に，袋の中に入っているお米のことが，簡単にわかるようにしたのです。名称，原料玄米，内容量，精米年月日，販売者欄があります。

　 名称（品名）欄には，玄米，もち精米またはうるち精米などの区分に応じ，それぞれ「玄米」，「もち精米」，「うるち精米」又は「精米」などと書かれています。

●　産地，品種，産年，使用割合は？
　　どこでとれた米か（産地），どういう名前か（品種），いつとれたか（産年），どのくらい使われているか（使用割合）などが一目で分かるようになっています。
●　原料玄米が，2種類以上入っている場合「複数原料米」「ブレンド米」などと書きます。
　　 品種名を書く場合は，使用量の多い順にその使用割合を書きます。
●　国内産と外国産が使用されている場合には，それぞれを区別して，使用量の多い順にその使用割合を書きます。
●　精米年月日欄には玄米から精米にした年月日を書きます。　　





　お米の袋には，販売者が表示と内容の一致を証明するために任意で認証を受けたものがあります。
　（財）日本穀物検定協会の認証を受けたものには左のようなマークがついています。

Ｑ２２．　お米は，どうやって作るの？

Ａ２２．　お米ができる過程は，次のようになっています。まず，流れを把握しておきしょう。
　　苗づくり・・・・・専用の箱に土を入れ，種籾をまき，小さな苗になるまでビニールハウスの中などで育てます。
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　　田植え・・・・・田植えの目安は，苗の長さが12〜13cm，葉が3枚〜4枚程度。田植え機で植えます。
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　　分けつ・・・・・田の苗は，根を張り，根に近い茎の節から新しい茎が増えていきます。これを分けつといいます。
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　　茎がのびる・・・・・分けつが終わる頃，茎が伸び，茎の芽の部分で穂が作られます。穂の中では，数多くの花のもとが作られます。
　　　　↓
　　穂が出る・・・・茎の中から，さやを割ってうす緑色の穂が出てきます。穂の長さは，20cmほど。
　　　　　　　　　　 一つの穂には，約100〜200個の花がついています。この花が，籾（米）になります。
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　　開花・・・・・・・穂が出るとすぐその日に穂の上の方から次々に花が咲きます。
　　　　　　　　　　 おしべの花粉がめしべにつき，午前中の2時間ほどで外の皮が閉じます。
　　　　　　　　　　 やがて，めしべの根元の部分（子房）がふくらんできます。
　　　　↓
　　穂が実る・・・・ふくらみが，でんぷんなどで外皮いっぱいにまで満ちてくると，その重みで穂先がたれてきます。
　　　　　　　　　　 こうして穂が実ってくると，外皮は黄金色になっています。
　　　　↓
　　収穫(稲刈り)・・・・葉や茎も黄色になり，田んぼが黄金色になるといよいよ収穫です。コンバインで稲をかり取ります。
　　　　↓
　　脱穀・・・・・・・・コンバインで稲をかり取った後，稲から籾を取ります。これを脱穀といいます。

Ｑ２３．　お米や野菜など植物の生育に必要な３要素とは？

Ａ２３．　窒素・燐(りん)酸・カリです。Ｎ(チッソ)Ｐ(リン酸)Ｋ(カリ)と覚えておきましょう。
　肥料を分類すると無機質肥料（化学肥料）と有機質肥料に分かれます。そして無機質肥料は，単肥（チッソ，リン酸，カリのうち一つの成分を含んだ肥料）と複合肥料（チッソ，リン酸，カリのうち２成分以上を含んだ肥料）とに分かれます。
　化成肥料は，無機質肥料の中の複合肥料の一つです。化成肥料は，自然界に存在するリン鉱石やカリ鉱石などから作られます。化成肥料とは，肥料のひと粒ひと粒の中にチッソ，リン酸，カリの３成分のうち，２成分以上を含む肥料のことです。また，化成肥料は，肥料成分の合計量によって１５％以上３０％未満の普通化成肥料と３０％以上の高度化成肥料とに分けられます。

【参考文献】興味のある人は，読んでみてください。学校の図書室にもありますよ。

　１．「米」(諫山忠幸 地球社)

　２．「世界の米」(小田紘一郎 農文協)

　３．「米の未来学」(樋口清之・諫山忠幸 地球社)

　４．「早わかり，コメのすべて」（全国農業協同組合中央会 家の光協会)

　５．「イネの一生」(守矢登 あかね書房)

　６．「米から世界を考える」(山岡寛人 ポプラ社)

　７．「米をつくる」(飯島博  ポプラ社)

　８．「農産物とくらし」(渡辺篤二編 PHP研究所)

　９．「産業の発達に見る日本の歴史−農業と日本人−」(日本生活史研究会 あすなろ出版)

　10．「グラフでみる日本の産業−食料の生産−」(松崎重広 小峰書店)

　お米のＱ＆Ａは，次々と掲載していく予定です。お楽しみに。