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心の中で生き続ける「あきら」
「あきらちゃんは,お父さんの何ですか?」
「たからもの。」
そんな会話をもう一度したい。
もう一度あきらの笑顔に会いたい。
あきらが亡くなって,自分が死ぬことに対して何の恐れも感じなくなりました。
今までは,
「死んだらどうなるのだろう?」
と言う不安が心のどこかにありました。
でも,
「あきらのところへ行ける。また,あきらに会える。」
と言う気持ちが,死ぬこと自体の恐れを消してくれました。
それは,死ぬことによってあきらに必ず会えると確信することができているからです。
「あと何年かしてあきらのところへ行ったらあきらは,覚えてくれているかな?」
「もちろんよ。絶対に迎えに来てくれるよ。」
「死ぬなんてこと,全然恐くないね。」
そんな妻との会話をかわしながら,妻も同じような気持ちでいてくれることがとてもうれしく感じました。
よく自分だけは・・・・,自分だけは,ということを思っている人は多いと思います。
生きてから死ぬまで何もかもしあわせだったという人も,たくさんいると思います。
子どもを先にいかせるなんていう人も私以外にもたくさんいると思います。
「この世の中,何でもあり。」
そんな悲しい現実を実感した1997年でした。
でも,あきらは,一生私たちの心で生き続けています。
そして,
「もう一度お母さんから生まれたい。」
とあきらが,思ってくれていることを信じて,残された家族で決められた道をあきらといっしょに歩いていきたいと,今,素直な気持ちで感じています。
1997年1月27日。
この日のことは,ずっと忘れることはないでしょう。
あきらが,4歳というかわいい盛りのままで,私たちの中で永遠に生き続けることになったのですから。
「あきらちゃんは,お父さんの何ですか?」
「たからもの。」