織田信長のポイントは?
天下統一での役割をよんだ狂歌に,次のような歌がある。
「織田がつき,羽柴(はしば)がこねし天下餅,すわりしままに食ふは徳川」とある。そのトップランナ-が尾張の大うつけ(馬鹿者)とよばれた織田信長である。
特に赤字のところをチェックしておこう。
1560年
1567年
1568年
1570年
1571年
1573年
1575年
1576年
1580年
1582年 |
桶狭間の戦いで今川義元を破る。
美濃の斎藤氏を倒して,根拠地を岐阜に移す。
足利義昭を奉じて入京し,義昭を15代将軍とする。
姉川の戦いで,浅井長政・朝倉義景軍を破る。
延暦寺(中世的権威の象徴)を焼き打ちする。
将軍義昭を京都から追放。(室町幕府の滅亡)
長篠の戦いで武田勝頼軍を破る。
近江に安土城を築く。
一向一揆の拠点である石山本願寺を屈服させる。
京都の本能寺の変で,明智光秀に襲われ自殺する。 |
織田信長が天下統一のパイオニアになることができた理由は?
①濃尾平野は,農業生産力が高く,有力農民は最初から兵農分離し,専業の足軽(=常備軍)となることができた。
②濃尾平野は,畿内との商取引がさかんで,いち早く鉄砲隊の集団戦法を採用した。
③尾張が京都に近かった。
戦争のやり方・城のつくり方・人々の考え方まで大きく変え,戦国の世の統一を早めた。信長の政策は,戦国大名の富国強兵策の延長上にある。その手口は,豊臣秀吉や徳川家康のモデルとなり,近世社会の骨組みができあがる。
1 商業・都市政策
① 楽市・楽座
座の商人と本所である公家・寺社の特権を廃し,城下に集まる商工業者に自由な営業を認めて,城下の繁栄をはかろうとするもの。
② 城下町づくり
家来をすべて城下町に住まわせる。=田畑を気にしなくてもよい。
専業の足軽(=常備軍)の確保。
③ 鉱山の支配
但馬(兵庫県)の生野銀山を直轄地として,銀を財源とした。
④ 都市の支配
堺(大阪府)を屈服させ,都市自治の発展をおさえ,豪商の経済力を天下統一に利用する。
2 宗教・外交政策
① キリスト教の保護。
・ 統一に抵抗する仏教勢力を弾圧(比叡山の焼き打ち・一向宗の弾圧)し,仏教に対抗させるようにキリスト教を保護する(安土のセミナリオ(神学校),京都の南蛮寺(教会堂ともよばれる)の建設)。
② ヨ-ロッパ人の利用。
・ 新しい知識・技術を手に入れる。
・ 南蛮貿易で利益を上げる。 |

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