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思い出の不動院駅から川野酒店へ
縮景園の近くを通ると,あきらと縮景園で遊んだことを思い出しました。
ビックウェーブ,フタバ書店と数々の思い出がよぎります。
車を運転しているとあきらがとなりにいっしょにいるようです。
目の前に,アストラムラインが見えます。
不動院の駅では,思わず涙で前がくもってしまいました。
今年の成人の日の15日,あきらとの最後の買い物になった日のことでした。
いつものように,子どもたち3人と自転車で行きました。
洸太朗,涼太朗は,それぞれ自分のマウンテンバイクに乗っていきます。
あきらは,私の自転車の前の部分に補助いすをつけてそこに座ります。
坂を下ると,そのスピードとスリルが楽しいのか,
「ヒィヤー,恐〜い。でも,おもしろいね,お父さん!」
と,叫んでいます。
ハンドルを「ギュッ」と握って笑顔いっぱいになります。
不動院駅に着くと,駐輪場に自転車をとめて,私が,鍵をかけていると,あきらは,ちゃんと横に立って待っていてくれます。
そして,鍵をかけ終わるのが分かると,一生懸命走ってエスカレーターの所へ行って待っています。
私がゆっくり歩いていくと,エスカレーターの所で,にこにこして立っています。
手をつないでエスカレーターに乗って駅に入ります。
自動改札を通ると階段を元気に駆け上がって,いすにちょこんと座って待っているのです。
そんな思い出が昨日のことのように次々と思い浮かぶのです。
信号をぬけると,祇園新道を外れて右へ行くと,比治山女子大学や川野酒店が見えて来ました。
比治山女子大学には,附属幼稚園があり,来年からあきらが通うことになっていました。
あきらは,幼稚園へ行くのをとても楽しみにしていました。
でも,今となっては,叶わぬ夢になってしまったのです。
川野酒店も,あきらとの思い出がたくさんあります。
あきらと手をつないで自動販売機のある所まで散歩したことや,ジュースやおかしを二人でよく買い行ったのです。
あきらは,
「一ついい?」
と,いつも言っていました。
もっとたくさん買っていいのに,いつも,
「一ついい?」
と言います。
「もう一ついいんだよ。」
と,言うと,にっこりとした笑顔を見せて,必ず小さなガムを一つ持ってきました。
絶対に,私に対してだだをこねたり,わがままを言ったり,自分の要求をかなえるために泣いたりする子ではありませんでした。
ちゃんと子どもなりに礼儀をわきまえている子でした。
それが今では,反対にとても虚しく感じてしまいました。