＜さ行＞　   戻る

【さ】

【サイクロン】

　アラビア海または，ベンガル湾で発生し，南アジアをおそう熱帯性低気圧のこと。南半球のインド洋に発生し，モーリシャス島やマダガスカル島を襲う熱帯性低気圧や，南西太平洋に発生し，オーストラリアのクイズランド州付近を襲うものにも同様な名がついている。

【栽培漁業】

　人工的にふ化した稚魚を海面に放流し，これらが成長したあと再捕獲する漁業のこと。くるまえび，まだい，かれいなど。

【財閥】

　一族の独占的出資による資本を中心に結合した経営形態。明治維新後，政商から官営事業払い下げなどで産業資本に進出したものが多い。運輸・鉱山・貿易・金融などにも事業を多角化し，大正初期には巨大なコンツェルン形態を整えた。三井・三菱・住友・安田は持株会社中心。ほかに産業資本中心の古河・浅野・川崎など。

【財閥解体】

　1945年，GHQの指令で財閥の資産を凍結。1946年持株会社整理委員会が，財閥の持株を譲り受けて公売，株式の民主化を行った。さらに，1947年，指定財閥家族の財閥追放を実施して，人的支配を切断した。

【佐賀の乱】

　1874年２月，征韓を主張する征韓党などが，江藤新平らを擁して約12,000人が蜂起する。大久保利通らの政府軍に鎮圧される。

【坂本龍馬】

　1835〜1867年。郷士出身の土佐藩士。1864年長崎に海運・貿易のための結社海援隊(初め社中と称す)を組織し，薩長連合を斡旋する。1867年，「船中八策」を起草する。上下議政局からなる二院制議会(上下議政局)と朝廷中心の大名会議が，権力を持つ統一国家構想を述べ，大政奉還・公議政体を唱えて活躍中，中岡慎太郎とともに，京都で暗殺される。

【防人】

　国防上重要な九州防衛のため置かれた兵士。全国(主に東国)の兵士から選び，３年交代とした。８Ｃ末には，防人の制を廃し，九州の兵士を充てる。

【桜田門外の変】

　1860年，安政の大獄に憤激した尊攘派志士(水戸浪士17人・薩摩浪士１人)が，江戸城桜田門へ登城中の大老井伊直弼を暗殺した事件。これにより幕府の権威は失墜した。

【鎖国】

　禁教と貿易統制を目的に，日本人の海外渡航禁止と外国船来航規制を断行したこと。1641年に，オランダ人の出島集住で完成する。1854年まで清・オランダ２国のみに長崎貿易を許可する。朝鮮と琉球王国からは使節が来日。鎖国の用語は，１９C初め，志筑忠雄(しづきただお)が，ケンペルの『日本誌』の一部を「鎖国論」として抄訳したのが最初であると言われている。

【薩英戦争】

　1863年，生麦事件の報復のため，イギリス艦隊が，鹿児島沖に来航して交戦する。双方ともかなりの被害を受け，講和が成立する。薩摩は，攘夷の無謀を理解し，講和後，かえって両者は接近することになる。

【作況指数】

　農水省が毎年，地区ごとに定める平年収量を100として，実際の収量を指数化したものである。米穀デ−タバンクは例年，８月上旬に７月末現在の作況指数と収穫高予想を発表している。(例）平成８年産米の水稲基準収量は全国平均で１０ａ当たり504kg，最終発表の収量は525kgだったので，水稲作況指数は105となった。

【薩長連合】

　第二次長州征討にあたり，結ばれた薩摩・長州両藩の同盟。1866年京都で，坂本龍馬・中岡慎太郎らの斡旋により，薩摩の小松帯刀(こまつたてわき)・西郷隆盛，長州の木戸孝允が会盟，相互援助を約し，討幕の主力を形成した。薩長盟約ともいう。

【サービス】

　財のように具体的な形をもっていないため，見ることも触れることもできないが，人間にとって役立つものである。医療，修理，教育，福祉などがある。

【サービス業】

　さまざまなサービスを提供する業務。金融・保険・設計・デザイン・宣伝などを扱う生産関連サービス業，飲食・理容・娯楽などを扱う消費関連サービス業，教育・医療・福祉などを扱う社会関連サービス業などに分けられる。

【サービス残業】

　実際の残業時間に見合う時間外手当が支払われない残業のこと。時間外手当を全く支払わなかったり，上限を設けたり，過少申告させたりする場合がある。

【札幌農学校】

　北海道大学の前身で，1876年設立される。北海道の農業改良・生産発展のための教育施設である。アメリカ人クラークを招き，アメリカ式の大農場制度の移植を図るために開校される。クラーク博士と言えば，「Boys,be ambitious!(少年よ大志を抱け！)」の言葉で有名ですね。

【サミット】

　Summit  Meeting(頂上会談)。先進国首脳会議のこと。1975年，石油ショック後の世界不況を打開するため，仏大統領の提唱で，米・英・仏・西独・伊・日の６カ国首脳がフランスのランブイエで会談した。翌1976年よりカナダが加わって７カ国巡回で毎年開催。議題は，経済成長・貿易・通貨などが中心で，政治にも及ぶ。1997年からロシアを加え，Ｇ７からＧ８となる。現在は，米・英・露・仏・伊・加・独・日の国が参加している。2000年は，沖縄サミットが開催され，記念に2000円札が発行される。2001年は，イタリアで開催。テロが発生し，死者が出る騒ぎも起きて，開催の意義が問われている。それにしても2000円札発行の意味はあったのだろうか・・。

【産業の空洞化】

　円高の進行や人件費の高騰に対応して，国内産業(とくに製造業)が海外に進出した結果，国内産業の一つの部門がすっぽり抜けてしまうこと。そのために国内での雇用が減ったり，国内産業の衰退につながるとして心配されている。

【参勤交代】

　江戸幕府の大名統制の一つ。1635年，３代将軍家光のときに制度化される。幕末まで続く。大名，江戸と国元１年交代を原則とし，妻子は，江戸住みを強制される。華美な大名行列や江戸の藩邸の経費は，大名の財政貧窮の原因となる。しかし，参勤交代により，江戸や宿場町，宿駅の繁栄をもたらした。

【三種の神器】

　「記紀」の伝えで，天照大神(あまてらすおおみかみ)が瓊々杵尊(ににぎのみこと)に与え，以後の皇位の象徴として伝えられる八咫鏡(やたのかがみ)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)・八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)の三宝をいう。また，昭和の時代に入り，電化元年と呼ばれた1953年以降，家庭電化製品が急速に普及。中でも白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が三種の神器と呼ばれた。

【三世一身の法】

　開墾奨励の目的で，723年に制定される。新たに溝や池をつくって開墾した土地は，三世(子・孫・曾孫)の間，また，古い溝や池を利用して開墾した土地は，一身(本人)に限り，私有を認めた。しかし，この方策も私有期限が近づくと，開墾者は，耕作を放棄したので，再び墾田は，荒廃した。

【三角州(デルタ)】

　河川が，海または湖に注ぐところで流速を減じ，運搬してきた土砂を堆積(たいせき)して生じた陸地のこと。

【産業革命】

　１８世紀中期以降のイギリスにはじまる道具から機械への生産技術の革新と，これにともなう産業・経済・社会の変革をいう。

【参勤交代】

　江戸幕府の大名統制策の一つである。1635年に制度化され，幕末まで続く。大名は，江戸と国元を１年交代を原則して，妻子は江戸住みを強制される。華美な大名行列や江戸の藩邸の経費は，大名の財政窮乏の原因となるが，江戸や宿駅の繁栄をもたらした。

【３K労働】

　「きつい・きたない・きけん」な仕事のこと。日本人の若年労働者は，３K労働を嫌うため，外国人労働者や中高年労働者が従事することが多くなっている。

【三国協商】

　英仏・英露協商，露仏同盟の成立によってできた対ドイツ包囲体制のこと。イギリス・フランス・ロシアの三国で三国同盟に対抗したもの。

【三国同盟】

　1882年，ドイツ・オーストリア・イタリア３国で締結された相互防衛条約。三国協商と対立して二大陣営を形成。

【３Ｃ政策】

　ケープタウン・カイロ・カルカッタを結んで勢力拡大をはかるイギリスの帝国主義政策のこと。３Ｂ政策への対抗として名付けられた。

【３点セット表示】

　コメの�@産地，�A年産，�B品種の３要素を表示することを言う。このほかの価値判断の基準になるものとして，�C流通制度別（自主流通米，計画外米など），�D検査等級（１等，２等，３等），�E栽培方法（有機米，低農薬米）などがあるが，�@〜�Bがもっとも重要とされており，３点セットと言われている。

【三大事件建白運動】

　1887年の反政府運動である。井上外相の条約改正への反対運動に端を発し，片岡健吉ら自由民権運動家が，言論の自由，地租軽減，外交失策挽回(条約改正)の３項を主張する建白書を元老院に提出して，政府を攻撃する。保安条例で抑えられることになる。

【サン＝フェリペ号事件】

　1596年土佐浦戸沖にスペイン船サン＝フェリペ号が漂着した。秀吉は，増田長盛を派遣して調査し，積荷を没収し，船は修繕して乗組員ともにマニラに帰した。その時に，乗組員が，「スペインは，宣教師を領土征服の手先としている。布教のあと，植民地化する。」という失言から，２６聖人殉教が起きた。

【サンフランシスコ平和条約】

　日本と連合国の講和条約。1951年９月８日締結。1952年４月28日発効。戦争終結，領土の範囲，賠償を規定する。日本は，主権を回復したが，領土を削られ，沖縄(1972年５月に返還実現)・小笠原諸島(1968年６月に返還実現)は，アメリカの施政権下に置かれた。

【３Ｂ政策】

　ベルリン・ビザンティウム(イスタンブール)・バクダードの三つの重要都市を結ぶ鉄道建設によって西アジアへ進出しようとするドイツの帝国主義政策である。

【讒謗律】

　ざんぼうりつと読む。1875年の言論弾圧法規のこと。政府擁護のため，著作・文書などによる官僚らの批判を讒謗(けなす)として，禁止する。自由民権運動を抑えた。

【し】

【Ｊターン現象】

　農村からいったん都会へ出た人々が，再び郷里に近い地方中心都市に移り住む現象のこと。

【ＣＡＴＶ】

　Community Antenna Television 有線によるテレビ。各家庭にケーブルをつなぎ，番組放送や情報の提供などを行う。わが国ではテレビの難視聴地区対策として利用されてきたが，独自の放送を行う都市型ＣＡＴＶの利用も進んでいる。

【ジェット気流】

　中緯度地方を吹く偏西風の一部で，圏界面(気温の高度による変化がやむ高さ)付近で，最高の風速を示し，とくに冬は，平均秒速40ｍにも達する。

【潮目】

　潮境のこと。水温・塩分など性質の異なる海水が接するところである。寒暖両流が出会うところで，海面上の境界を潮目とよぶ。ここでは，渦流による上昇流が起こり，海底に沈殿した栄養分が上昇してプランクトンが多く，よい漁場となる。

【自作農】

　耕作している農地のほとんどが自己の所有地である農民をいう。

【自主流通米】

　計画流通米の一種。純民間の計画外米と政府が売買する政府米との中間的存在。「自主米」と略記される。少数ながら「自流米」と略すこともある。英訳はSemi-Government-Riceだそうである。

【氏姓制度】

　大和政権の政治・社会制度。中央・地方の豪族を大王家中心の支配体制下に組み入れるための政治的身分秩序のこと。大和政権では，豪族が氏とよばれる集団をつくり，代々きまった仕事に就いた。そして，大王から臣・連などの姓を与えられた。

【施設園芸】

　大都市近郊や温暖地に多く見られるもので，ビニルハウスや温室などの施設を用いて行われる園芸農業をいう。

【自然主義】

　自然科学やゾラの影響を受け，人間生活の観察と共に実験的方法を重視した。明治30年代に始まり，島崎藤村の『破戒』，田山花袋の『蒲団』で確立する。やがて作家自身の身辺描写の傾向が強まり，私小説へと展開する。

【下請け産業】

　大企業の親会社から受注されて，部品の製造や素材の加工を行う産業である。機械工業など組み立て工業や軽工業に多くみられる。一般的に，中小・零細企業である。

【執権】

　もと院政の実務を担当する院司の長官(別当)の別称。北条氏の地位を指すようになっている。

【執権政治】

　執権北条氏が実権を握った幕府の体制。1203年の時政の就任に始まる。北条氏の世襲となり，泰時・時頼の代に最も安定する。

【地頭】

　1185年，頼朝の要請で後白河上皇は諸国の公領・荘園に地頭を設置することを認めた。任務は，土地の管理，年貢・兵糧米の取り立て，治安維持などが仕事である。守護と区別しておきましょう。

【士農工商】

　江戸時代の職能に基づく身分制。社会を構成した主要な身分である武士・農民・職人・商人を指している。総称して四民という。このほかに，公家・僧侶・神職は，武士に準じる身分とされる。農工商の下には，賤民としてえた・非人を位置づけた。

【渋染一揆(しぶぞめいっき)】

　1856年，岡山藩内53の被差別部落民による蜂起。前年に出された倹約令のうち，「別段御触書」として出された中にあった無紋・渋染の着衣強制という差別政策に反抗するが，弾圧された。

【シベリア抑留(よくりゅう)】

　第二次世界大戦終了後，満州などでソ連軍の捕虜となっていた推定５７万人の日本軍人が，ソ連領内シベリア収容所に連行され，強制労働に従事させられたこと。寒気，粗悪な食事，重労働で，約６万人の死者を出したと言われている。

【四木三草(しぼくさんそう)】

　幕府や諸藩が重視した民間必需とされる商品作物。四木は，桑・漆・茶・楮(こうぞ)。三草は，麻・藍・紅花。桑・楮・麻は，全国的に栽培される。漆は，会津，茶は，山城が有名である。

【シーボルト事件】

　1828年，シーボルト帰国の時，国外持出禁止の日本地図を高橋景保より入手したことが発覚し，シーボルトは，国外追放，景保は，投獄された事件のこと。

【資本主義】

　資本主義経済と同意語。誰でも自由に商品を生産し，販売し，消費することが許される経済である。私有財産制(生産手段の私有)，商品経済，価格を中心に営まれる市場経済，自由競争，利潤追求の自由などの原理で動いている。イギリスにおいて産業革命をへて確立する。その後，多くの国に広まっていった。資本主義国の基本的な経済体制である。

【島原の乱】

　1637〜1638年のキリシタン農民の一揆。天草領主寺沢氏，島原領主松倉氏らの圧政に反抗。天草四郎を大将に，３万8000人の農民が原城跡に籠城する。幕府は，12万人を動員して半年の攻囲で落城させた。島原・天草一揆とも呼ばれる。

【四民平等】

　明治維新により，士農工商(四民)の封建的身分制度が撤廃され，華族・士族・平民の３族籍に再編されたことをいう。平民に苗字，華士族との通婚，職業移転の自由を認めた。

【下関条約】

　1895年４月。日清戦争の講和条約。日本全権伊藤博文・陸奥宗光と清国全権李鴻章が下関で会談，調印。清は，朝鮮の独立を認め，日本へ遼東半島・台湾・澎湖(ほうこ)諸島の割譲，賠償金２億両(テ−ル)(日本円約３億1000万円)の支払い，揚子江(現，長江)沿岸の沙市・重慶・蘇州・杭州の開市・開港と揚子江航行権(これは，欧米列強も承認)などを承認する。

【ジャパン・バッシング】

　1980年代後半，巨額の対日貿易赤字を背景に，アメリカ議会で起きた対日報復措置や制裁措置を発動すべきという言動のこと。

【社会権】

　人間らしい生活を保障する権利。ドイツのワイマール憲法が初めて明文化する。

【社会主義】

　資本主義社会を批判し，生産手段の社会的所有に基づいて，人間の平等を可能にする未来社会の建設をめざす理論と運動のこと。この理論を体系化したのが社会主義思想である。

【社会民主主義】

　資本主義経済体制を前提として，暴力革命によらず，議会制度の枠組みの中で富の再分配によって平等を実現しようとする社会主義である。ドイツの社会民主党やイギリスの労働党が代表的である。

【三味線】

　中国の元代につくられた三弦(三線)が，琉球から1560年頃に伝来する。胴に蛇皮を張ったので日本では，蛇皮線(じゃびせん)と呼ばれたが，猫皮を利用した日本特有の三味線になる。

【朱印状】

　戦国〜江戸期の支配者の朱印を押した公文書のこと。領地給付・国内交通・貿易免許・渡航許可などに関して発給された。

【朱印船貿易】

　幕府から渡航許可の朱印状を受けた公認の貿易である。主に東南アジアで中国船と出会貿易を行う。南洋貿易もさかんで，秀吉に始まり，家光に至る。最重要輸入品は中国産生糸，最重要輸出品は，銀である。

【集団疎開】→学童疎開を参照。

【自由党】

　1881年結党。国会期成同盟を中核に結成，板垣退助が中心である。主権在民・一院制を掲げ，フランス流の急進論を主張する。農村を地盤に，政府の懐柔・弾圧により，1884年10月末に解党する。現代では，1998年１月。小沢一郎を党首として，新進党分裂後に結党された政党である。

【自由米】

　計画外米および業者間で取引きされる計画流通米の総称。政府米，自主流通米も一時的な元売り（政府や自主流通法人）の手を離れたあとの取引きでは自由米と見なされる。

【自由民権運動】

　明治前期の1870〜1880年代，政府に対し民主主義的改革を要求した政治運動である。天賦人権思想を基に自由民権論が叫ばれ，幕閥専制打破・国会開設などを要求する。政府の弾圧・懐柔と内部分裂により，大同団結運動を最後に衰退する。

【重工業】

　鉄鋼・金属・機械など，大資本と高度な技術を用い，主として生産活動に用いる比較的重量の重い製品をつくる工業を総称していう。

【呪術】

　まじないなどのように，超自然的な神秘力の助けを借りて，種々の現象を起こさせること。

【宗門改(しゅうもんあらため)】

　禁教目的の信仰調査のこと。1640年宗門改役を置いて，宗門改帳を作成し，1664年から諸藩でも実施される。

【儒学】

　孔子・孟子の教説やそれに関する古典などをもとに研究する教学。奈良・平安時代には，漢唐の訓詁(読みと訳)の学，鎌倉時代に朱子学が伝来。江戸時代に陽明学が入り，古学・折衷学が興り，さらに清の考証学が入る。

【手工業】

　簡単な道具と手作業により，客の注文を受けて加工生産を行う，工業発展の初期の段階における生産形態のこと。

【守護】

　鎌倉幕府の軍事・警察権掌握のための地方機関。1185年の義経追討を理由として国ごとに設置を公認される。

【朱子学】

　１１Ｃに南宋の朱熹(しゅき)が大成した儒学の一派。格物致知・理気二元論を説き，身分秩序を重視する。鎌倉時代に伝来する。五山僧に普及し，林羅山の幕府登用により，体制維持のための御用学問になる。

【酒造用好適米】

　清酒の原料専用に栽培されている特殊なコメ。「山田錦」，「五百万石」などがある。一般米より高額であるが，飯用には適さない。

【首都圏】

　東京とその周辺の７県(神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨)を含む地域のこと。

【聚楽第(じゅらくだい)】

　秀吉が，大内裏跡に造営した城郭風の邸宅。1588年後陽成天皇の行幸を仰ぎ，ここで家康以下，諸大名に秀吉の忠誠を誓わせた場所である。

【書院造】

　室町時代に成立した住宅建築の様式。禅院の書斎などの影響から，床・棚・付書院(つけしょいん)・違い棚などを持ち，明障子(あかりしょうじ)・襖(ふすま)を多く用いる。入口として玄関を設けるなど現代の日本住宅の基本となる様式である。

【攘夷運動(じょういうんどう)】

　外国勢力(夷)を攘(しりぞ)ける意味を持つ運動のこと。武力で開国を迫った欧米を武力で撃退せよという攘夷論は，外国人殺傷事件や外国船砲撃事件を引き起こす結果となった。のち，幕府批判の政治運動に展開していった。

【荘園】

　古代・中世における土地制度の一形態である。８〜９Ｃの初期荘園と，10Ｃ以降の本格的な荘園に分けられる。前者は，中央集権者が律令支配体制のもとで形成したもので，自墾地系荘園が中心である。後者は，地方豪族らが中央権力者と結合して成立した寄進地系荘園が主で，他に雑役免系荘園がある。

【城郭】

　壮麗な天守を持つ本丸を中心に，二の丸・三の丸などの郭(くるわ)や櫓(やぐら)を配した構築物のこと。鉄砲や白兵戦に備えて発達する。この時代の城郭で現存するものは，姫路城，彦根城，松江城，犬山城がある。

【承久の乱】

　1221年，後鳥羽上皇の鎌倉幕府打倒の兵乱。執権義時は，泰時・時房に軍を授けて京都を攻撃し，上皇方を破る。その結果，後鳥羽上皇ら３上皇の配流，後堀河天皇の擁立，所領の没収など，朝廷方の勢力が失墜し，幕府の朝廷に対する優位が確立するようになる。後鳥羽上皇が隠岐に流されたのは有名。また，今まで置かれなかった西国の公領・荘園にも新しく御家人が地頭に任命されるなど，幕府の西国支配が強化される。

【精進料理(しょうじんりょうり)】

　獣魚鳥肉を使わず，野菜・海草などを主とする料理である。お寺の食事に始まり，多様な工夫で発達する。

【正倉院】

　シルクロ−ドの最終駅と言われているのが，正倉院。正倉とは，古代の官衙に付属する倉のこと。正倉院は，造東大寺司によって７５６年頃に建立された。東大寺宝庫群で現存する唯一のものが正倉院宝庫である。東面して北倉・中倉・南倉に分かれ，中倉は，板倉で，北倉・南倉が校倉造である。聖武天皇の遺宝など数千点を蔵し，勅命で開閉する勅封蔵として管理されてきたが，現在，宝物は空調設備の整ったコンクリ−ト造りの新宝庫に移されている。

【浄土教】

　10Ｃ以降に発達した阿弥陀浄土への往生を願う信仰である。如来・菩薩の住む所を浄土といい，薬師・弥勒(みろく)・観音などの浄土も知られているが，特に，阿弥陀仏の西方極楽浄土の信仰が厚かったようである。

【正徳の治】

　６代家宣・７代家継治世下での新井白石の文治政治のこと。1709〜1716年。元禄期の幕政を修正し，正徳小判など良貨を発行し，貿易を制限するなどの政策をする。儀式典礼の整備に特色が見られる。

【小農経営】

　経営規模の小さい農家の農業経営。とくに経営規模の小さいものは，零細経営と呼ばれる。日本の農家１戸あたりの経営耕地面積は，約1.4haで，世界的にみればそのほとんどが小農経営である。

【消費財工業】

　衣料品・食品・雑貨など日常生活に必要な資材をつくる工業部門のこと。

【消費者】

　生活手段として財やサービスを購入し，消費する経済主体のこと。自給自足経済から商品経済が一般化するに従い，経済活動の大きな構成要素となってきている。

【消費者金融(消費者信用)】

　金融機関やクレジット会社が消費者に金銭を貸し付けたり，商品購入代金の立て替えをすること。住宅ローン，自動車ローンなどや最近では，用途を問わないローンもある。消費者金融の不当に高い金利を防止するために利息制限法が制定されている。

【消費者の４つの権利】

　1962年アメリカ合衆国のケネディ大統領が，特別教書で示したのが消費者の権利である。�@安全である権利�A知らされる権利�B選択できる権利�C意見を反映させる権利。その後，世界の消費者保護運動の基本となり，日本の消費者保護基本法にも採用されることになる。

【消費者問題】

　大量生産・大量消費社会の到来により，発生した消費者が受ける被害や不利益をめぐる諸問題のこと。欠陥商品・薬害・残留農薬・物価問題・悪徳商法など。

【商品作物】

　商品として販売することを目的とする作物。四木三草の他，綿花・たばこ・野菜類・甘蔗などが主たるものである。各地に特産物も現れた。

【昌平坂学問所(しょうへいざかがくもんじょ)】

　幕府直轄の教育機関。1630年上野忍ケ岡の林家の家塾として始まり，1791年，湯島に移転して聖堂学問所となったのが前身。寛政異学の禁を機に施設・制度が整備され，1797年，林家の家塾を切り離し，幕府直轄の学問所となる。名の由来は，この地が，孔子の郷里の名をとり，昌平坂といわれたため。

【縄文土器】

　表面により糸状の縄目文様が多いことからこの名前がある。黒褐色・厚手で600〜800℃の低温で焼かれたためもろい。

【情報】

　ものごとの様子についての知らせで，新聞やテレビなどの通信手段(メディア)が伝える内容にあたる。

【情報化社会】

　情報量が増え，情報の売買，伝達処理能力が重要な役割をもつ社会のこと。今日の情報化時代の社会では，個人・企業・国家すべてが多種多様な情報を求め，それによって意思決定を行っている。知識社会とも言われている。２０世紀後半の先進国の状況も指している。

【情報関連産業】

　情報産業と同義。衛星放送，衛星通信の発達，コンピュータの発達，光ファイバーの利用など，技術の革新やメディアの多様化によって，ソフト，ハード面ともに情報にかかわる産業が発達し，その分野も多様化している。

【情報産業】

　情報の収集・処理・開発・販売・サービスなどを行う産業の総称。電気通信産業，放送産業，印刷出版産業など。

【条里制】

　古代の土地区画制。土地を１辺６町(360歩＝約648ｍ)の方形に区分し，縦を条(じょう)，横を里(り)として，その一区画を里と呼んだ。さらに，里を36の正方形の区画に細分し，その一つを坪(つぼ)といった。

【常緑広葉樹】

　熱帯から温帯にかけて多く分布し，年間を通して緑色の広い葉をつけている樹木のこと。

【生類憐みの令】

　徳川綱吉が，1685年以降に出した極端な動物愛護令。1687年以降特に，犬に関して極端化し，1695年，四谷・大久保・中野の犬小屋に野犬を養い，綱吉は，犬公方と称される。1709年廃止される。

【食糧管理制度】

　1942年に制定された食糧の配給・統制のしくみで，米など特定の食糧について政府が直接買い入れ，販売を管理しようとする制度。

【食糧自給率】

　国民が消費する食糧のうち，国内生産でまかなうことができる比率のこと。

【食糧法】

　「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」の略称。94年12月成立，95年11月から施行。出来たての頃は「新食糧法」と表記されることが多かった。現在では，食糧法と呼ぼう。

【白樺派】

　しらかばはと読む。同人雑誌『白樺』によった文学者グループのこと。自然主義・耽美(たんび)主義(現実を直視し，醜い面ばかり描く自然主義への反動として感覚を解放し，官能的な美を追求する芸術至上主義を主張する)に対立した大正文学の主流で，個性の尊重，自我の確立，生命の創造力をうたい，人道主義・新理想主義・個人主義を追求する。

【シラス】

　我が国の鹿児島県から宮崎県にかけて分布する，軽石および岩石片などからなる火山噴出物のこと。灰白色を呈し，その表面は，火山灰でおおわれている。

【シラス台地】

　シラスでおおわれている台地のこと。保水力に欠け，さつまいもやたばこなどの畑作物が栽培される南九州の火山灰台地である。

【新幹線】

　1964年10月。東海道新幹線が営業を開始する。標準軌を用い，自動列車制御装置など最新の技術を導入，東京〜新大阪を３時間10分でつないだ。75年３月，博多まで山陽新幹線が延長開通。1982年６月東北(盛岡まで)新幹線，11月上越(新潟まで)新幹線，92年９月に山形新幹線，97年10月に長野(長野まで)新幹線が開通する。また，97年には，秋田ミニ新幹線が開通する。

【新興工業経済地域(ＮＩＥＳ)　Newly Industrializing Economies】

 発展途上国の中で，急速な工業化と高い経済成長率を達成している国や地域のこと。韓国・シンガポール・台湾・メキシコ・ブラジル・アルゼンチンなど。

【真言宗】

　空海が中国から伝え，開宗した密教宗派である。大日経・金剛頂経を根本聖典とする。これは，釈迦の最高の悟りをそのまま表現した真実の言説とされるので，宗派名を真言説による教えとして，真言宗と称する。

【真珠湾攻撃】

　1941年12月８日。連合艦隊司令長官山本五十六の作戦構想のもとに，日本海軍の機動部隊が，航空機を主力に軍艦の奇襲攻撃を敢行した攻撃である。ハワイの真珠湾を根拠地とするアメリカ太平洋艦隊の主力を壊滅させる。以後，緒戦を有利に導くことになる。

【新撰組(しんせんぐみ)】

　新選組とも書く。1863年，近藤勇・土方歳三らが組織した浪士組。京都守護職の指揮下に置かれ，池田屋事件など尊攘派制圧に活動した。戊辰戦争で敗北する。

【伸展葬(しんてんそう)】

　弥生時代になり，遺体の手足を伸ばしたまま葬る葬法のこと。屈葬の対語。

【寝殿造】

　藤原時代の貴族の住宅。四足門のちく築地塀で囲まれた方１町の敷地を基準として，寝殿(正殿)を中心に，北の対・東西の対・釣殿・泉殿があって，透渡殿(すきわたどの)で接続する。寝殿の南庭には，池を掘り，築山を設け，中島をつくり，池水は，寝殿の東から遣水(やりみず)で引いた。建物は，白木造・檜皮葺(ひわたぶき)の日本風である。

【新三種の神器】

　1960年代後半から70年代にかけて，普及したカラーテレビ・クーラー・カー(自動車)。英語の頭文字をとって３Ｃ(さんシー)とも称される。

【新人】

　現生人類ともいう。学名をホモ・サピエンス(Homo Sapiens)という。クロマニョン人が有名。脳容積は，1600ccになっている。

【寝殿造(しんでんづくり)】

　藤原時代の貴族の住宅。四足門のつく築地塀で囲まれ，寝殿(正殿)を中心に，北の対・東西の対・釣殿・泉殿があって，透渡殿(すきわたどの)で接続する。寝殿の南庭には，池を掘り，築山を設け，中島をつくり，池水は，寝殿の東から遣水で引いた。建物は，白木造・檜皮葺などの日本風である。

【人道主義】

　人道とは，人間として守るべき道のこと。人道主義(humanitarianism)とは，人間愛の立場から人々の福祉を図ろうとする思想態度で，博愛・平等，人権の尊重，平和・無抵抗主義などを特徴とする。ヒューマニズム(人間尊重主義)の一形態である。

【神仏習合】

　日本固有の神の信仰と仏教信仰との融合を言う。奈良時代に起こり，明治初年の神仏分離令まで続く。初めは神前に経を読むとか，神宮寺を建てるとか妥協・調和の動きであったが，やがて神仏は，本来同じものとする方向に向かった。

【神仏分離令】

　神仏判然令ともいう。1868年，政府は，王政復古・祭政一致から，神道国教化の方針をとり，その純化のため神仏混淆(しんぶつこんこう)を禁止した法令である。神社から寺院を独立させた。

【新聞紙条例】

　1875年の言論弾圧法規である。自由民権運動の高揚に対処するため，政府を攻撃した新聞・雑誌の弾圧を目的として公布する。禁獄，発行停止を課す。1883年には改正・強化される。1909年に新聞紙法に継承されることになる。

【新米】

　その年に収穫された米のこと。さらには，翌年８月ごろまで（「古米」ではないので），「新米」と分類される場合がある。外国産米に対する新米・古米の呼称の使い分けは商慣習として確立していないのが現状である。

【人民の人民による人民のための政治】

　"Government of the people, by the people, and for the people." 1863年11月。リンカーン大統領がゲティスバーグの演説の最後の部分で述べた言葉である。民主主義の原理を述べたものとして有名である。

【針葉樹】

　まつ・すぎ・ひのき・もみ・とうひなど，細長い葉をもつ樹木のこと。

【浸食(しんしょく)】

　各種の営力が地表に作用して，これをけずり下げ変化させていくことをいう。

【浸食平野】

　浸食作用により，地表の凸凹がけずりとられて形成された平野のこと。

【す】

【水田単作地域】

　一毛作田が卓越する地域。気候の制約から裏作ができず，稲作にたよる傾向が強い。北海道・東北・北陸などにみられ，穀倉地帯を形成している。

【水稲(すいとう)】

　水田で栽培される（栽培された）一般のコメのこと。統計上，畑作の「陸稲（りくとう）」と区別する場合に使われる。日本で生産されるコメのうち，陸稲は２〜３万トンに過ぎず，大部分が水稲である。

【水墨画】

　墨の濃淡と描線の強弱による墨一色の東洋独特の絵である。禅僧により，宋・元から伝えられた。初期には，禅の精神を表現する宗教画が多く描かれた。しだいに風景の山水画へ発展していく。雪舟が有名である。

【崇仏論争】

　仏教の受け入れをめぐって崇仏派の蘇我氏と，神祇(じんぎ)信仰を固持する排仏派の物部氏・中臣氏が対立したこと。

【須恵器(すえき)】

　1,000℃以上の高温で焼かれた灰色・硬質の土器。５Ｃ後半以降，朝鮮半島の新技術により，ろくろを使用し，のぼり窯で焼成される。器形は，多種で，主に祭祀(さいし)に用いられる。弥生時代の系統をひく素焼きの土師器と朝鮮の技法をひく須恵器と区別しておこう。

【ストリートチルドレン】

　家庭の保護を受けられず，住む家がなく，街頭で日雇いや物売りをして，その日暮らしをしている子どもたちのこと。

【スーパー３０１条】

　1988年成立のアメリカの包括通商法の条項。不公正貿易国に対し，アメリカ通商代表部（USTR)が，関税引上げなどの報復措置をとり得ると規定されている。

【スーパーマーケット】

　大型小売店の一つ。セルフサービス方式で現金販売が大きな特徴である。日用雑貨・食料などを大量・廉価に販売する。アメリカ合衆国にはじまり，全世界に急速に普及した。

【スプロール現象】

　住宅や都市施設が無秩序(虫食い状)に郊外へ広がっていく現象のこと。都市周辺部の地価の安い場所を求めて住宅や工場が無秩序に建設され，農地・宅地・工場が混在している。

【スラム】

　大都市の都心部およびその周辺部に，低所得層の人々が居住することにより形成される一般水準以下の不良住宅街。ニューヨークのハーレム地区は黒人やプエルトルコ人の集まるスラム。シカゴのブラックゲットー，ロンドンのイーストエンド，カルカッタのバスティーなどもこの例。路上や空き地で生活するホームレスやストリートチルドレンなどが社会問題化している。

【せ】

【征夷大将軍】

　平安初期，蝦夷征討のために任命されたが，811年で廃絶。797年任命の坂上田村麻呂が有名。1184年源義仲の任命で復活。1192年，頼朝任命以後，武家の棟梁の意味となる。

【生活協同組合】

　消費者の生活を守るため，地域や職域を単位に組織される購買組織のこと。消費者自らが出資金を出して組合員となり，共同で生活物品を購入し，販売する。

【青函トンネル】

　せいかんトンネルと呼ぶ。本州と北海道を結ぶ全長53.85kmの海底トンネル。海底部は，23.3km。1988年３月に開業する。

【征韓論】

　朝鮮の鎖国排外政策を武力で打破し，国交を開き，勢力を伸ばしていこうとする主張である。西郷隆盛・板垣退助らが主唱。1873年内治優先論(国内の政治を優先しようとする)を説く大久保利通・木戸孝允たちの反対で実現せず。征韓派は，一斉に下野した。これを明治６年の政変という。これ以後，大久保が政権を指導したので，大久保政権と呼ばれる。

【生産財工業】

　鉄鋼・機械・肥料など，工業や農業の生産のために必要な資材をつくる工業部門をいう。

【生産調整】

　値段を高くしたり，値下がりを防ぐために生産量を制限する行為。日本米の場合，国が中途半端に首を突っ込んでおり，誰が調整事業の主体なのかあいまいなため，議論が混乱しがちである。

【政治的無関心(政治的アパシー)　political apaty】

 主権者としての国民が，政治に対して興味・関心をもたないこと。自分は，政治に関心がない，政治家に政治をまかせておけばよいなどという考え方。権威主義的無関心と現代的無関心とがある。政治的無関心は，国民不在の政治を生み，全体主義の台頭を招きかねないので注意が必要である。

【政府開発援助(ＯＤＡ)　Official Development Assistance】

 発展途上国に対して，先進国の政府が行う経済援助のこと。グランドエレメント(経済援助の条件を示す値のこと)が２５％以上のものをいう。贈与と国際金融機関への出資などがある。発展途上国は，先進国がＯＤＡをＧＮＰの０．７％とするように求めているが実現されていない。

【政府米】

　政府が保有するか売却した国産米および外国産米のこと。売却価格は買い入れ価格よりかなり高く，昔言われていたような売買逆ざやは存在しないが，備蓄を続けていくための古米値引きなどの負担は増加中である。

【政令指定都市】

　地方自治法による政令で指定された人口５０万人以上の都市(ただし，これまで指定されてきた都市は，人口が１００万人以上が目安とされています)。大都市の行政の特殊性に応じて，道府県並みの行政・財政の権限(都市計画・県道や国道の管理・保健所をつくるなど)をもつ。同時に，市内をいくつかの区にわけ，事務を分掌させている。大阪・京都・名古屋・横浜・神戸・北九州・札幌・川崎・福岡・広島・仙台・千葉の１２都市がある。２００３年４月からは，さいたま市が１３番目の政令指定都市となる。

《1956年9月〜》

《1960年以降》

《1980年以降》

《2000年以降》

　市は，５万人以上で，合併の場合は，３万人以上と規定されている。全国で６７５市ある。(２００２年１０月１日現在)政令指定都市(１３市：５０万人以上：１９５６年制度化)以外にも，人口が３０万人以上の市を中核市(３０市：１９９５年制度化)，人口が２０万人以上の市を特例市(３７市：２０００年制度化)という市の制度がある。

【積算温度】

　植物の生育条件をあらわす値の一つで，植物の生育期間中の一定限界(ふつう５〜６℃)を超えた気温の総和のこと。稲は，穂が出るのが，1,700℃，稲刈りはさらに1,000℃で，計2,700℃がめどになる。

【生産調整】

　食管制度の赤字と古米在庫量の減少を目的に，水田の削減や畑作などへの転作をめざす政策のこと。

【西南戦争】

　1877年２月〜９月，最大の士族反乱である。鹿児島の私学校生を中心とした士族が，西郷隆盛を擁して挙兵する。政府軍に鎮圧される。徴兵軍の実力が認められ，武力反抗に終止符が打たれ，言論による反抗の世になる。

【世界貿易機関(WTO)】

　World  Trade  Organization  GATTに代わり，世界の自由貿易を目指し，各国の貿易政策の監視や紛争処理に当たる。1995年１月に81カ国で発足し，IMF，IBRDと並ぶ世界経済秩序をつくる３本柱が完成した。1997年で132カ国加盟している。

【世界貿易センター(World Trade Center)】

　アメリカ合衆国のニューヨークのマンハッタン島南端にそびえる１１０階建ての双子の高層ビルと周辺のビル群からなる複合商業施設を指す。オフィス面積は，約97万5千平方メートル，商業施設用面積は，約2万8千平方メートル。中心は，ウォール街近くに，1973年に完成した110階建て，高さ442.8メートルの世界２位の超高層ツインビルである。事務所スペースは，約81万平方メートルで，約1,200社の約10万人が働く。日系企業は，金融，証券会社を中心に，30社以上が入居する米金融証券業界の中枢センターの一つであり，アメリカ経済のシンボルでもある。観光スポットにもなっており，屋上の展望台からはマンハッタンが眺望できる。ニューヨークの観光名所の一つだが，1993年には，爆破テロが起きた。2001年９月11日には，テロリストが乗っ取った旅客機が突っ込み双子の高層ビルが倒壊する。

　2001年９月11日。世界貿易センターのビルが倒壊する。(讀賣新聞提供)

【関ヶ原の戦い】

　1600年，石田三成ら西軍が，徳川家康の東軍と戦って敗北した戦いである。この戦いにより徳川の覇権が確立する。天下分け目の戦いと称される。

【関　孝和(せきたかかず)】

　1640〜1708年。和算の大成者。点竄(てんざん)術と呼ぶ縦書きの筆算式代数学を開創，円弧の長さや円の面積を求める円理も樹立。これを弟子の建部賢弘が発展させる。死後に『括要算法』(かつようさんぽう)を刊行。先生の名前の浩和は，孝和(こうわ)に通じる。命名の由来となって偉大な人物である。

【石油危機】

　石油ショック，オイルショックとも言われる。1973年秋，アラブの石油戦略で，石油価格が高騰し，世界経済に深刻な影響を及ぼした。第二次田中内閣の日本も石油不足，異常な物価高騰(狂乱物価)に苦しみ，1974年の経済成長率は，マイナスとなった。今のお父さんやお母さん世代の人たちは，お店にトイレットペーパーがなくなり，買い占めにはしった経験のある人も多いはずです。聞いてみよう。

【石塁(せきるい)】

　文永の役後，博多湾の沿岸，西は，今津，東は，香椎(かしい)付近まで延べ20kmにわたり，石・砂・土を積んで防塁を築いた。石築地(いしついじ)ともいう。

【セクシャル・ハラスメント(セクハラ)　sexual halassment】

 性的嫌がらせによって，仕事上の不利益を与えたり，職場環境を悪化させること。上司が性的関係を迫り拒否すると昇進を妨害するといった「対価型セクハラ」，職場にポルノカレンダーを貼るといった「環境型セクハラ」がある。1997年(平成９年)の男女雇用機会均等法改正により，雇用主にセクハラ防止義務が課せられた。

【摂関政治】

　１０〜１１Ｃの平安中期，藤原氏が外戚として摂政・関白を独占し国政を左右した政治である。

【雪舟】

　1420〜1502年。幼くして京都相国寺に入り，絵を周文に学ぶ。1467年明に渡り，1469年に帰国する。以後，諸国を訪ねて日本の水墨山水画を完成させた。代表作は，「四季山水図巻(山水長巻)」・「秋冬山水画」・「天橋立図」などがある。

【瀬戸大橋】

　本州と四国を結ぶ連絡橋として，架けられた橋のこと。３つのルートがある。

【セミナリオ】

　宣教師のヴァリニャーニが安土に建てた日本人のための神学校である。

【戦艦大和】

　ワシントン・ロンドンの両海軍軍縮条約失効後に建造され，1941年に竣工した日本最大の戦艦である。1945年４月７日，沖縄戦への出撃の途中，九州南西の南シナ海で，アメリカ軍機の攻撃を受けて沈没した。同型艦の武蔵は，1944年10月，フィリピン沖で沈没。

【専業農家】

　農業だけを本業とし，家族中のだれもが他の職業にたずさわらない農家のこと。

【千石どおし】

　17Ｃ後半より広まった選別農具。金網の上に穀類を流し，穀粒の大きさによって振るい分けるもの。

【戦後の「欲しい」モノ】

　1945年から，戦後の欲しいモノの流れである。それぞれの時代を象徴しているもので，社会がいろいろと見えてきますね。

【先進国首脳会議】

　サミットを参照してください。

【扇状地】

　山地を刻む急流が平地に出る際，流速を減じて運搬力が衰えることにより，谷の出口を原点としてつくる扇状の地形である。

【センセーショナリズム】

　人の心をあおりたてること。扇情主義。様々な問題を社会にもたらす。その意味でマスコミは，第４の権力ともいわれている。

【先端技術】

　1980年代を通じて日本の産業構造は，重化学工業からコンピュータ，光ファイバー通信，セラミックスなどに代表される先端技術産業中心に転換した。「重厚長大」から「軽薄短小」への転換であるとも言える。

【尖底土器】

　せんていどきと読む。縄文早期に特徴的な底のとがった土器である。巻き上げ法によって作られる。

【尖頭器】

　せんとうきと読む。ポイント(Point)の訳語。ナイフ形石器ののちに木葉形をした槍先形尖頭器が出現し，手槍・投槍の尖端につけた。

【千利休】

　1522〜1591年。茶道の大成者。堺の豪商出身である。草庵茶室と侘茶を完成した。信長・秀吉に仕えたが，大徳寺山門上に自分の木像を置いたかどで秀吉の怒りにふれ，自刃を命じられる。

【全農】

　全国農業協同組合連合会の略称。２つある自主流通法人の一つ。全中，全共連などと並ぶ農協の全国中央団体のひとつで，販売・購買事業を担当している。

【千歯扱(せんばこき)】

　元禄頃に考察された脱穀具。こき箸に代わり能率が倍増する。寡婦のこき箸による仕事を奪う結果となったため，「後家倒し」とも呼ばれた。

【全米商連】

　全米商連協同組合の略称。全糧連，全農と並び登録米卸業者の全国団体のひとつ。売買，斡旋のような事業はしておらず，他２団体に比べ組織規模はコンパクトである。

【戦略防衛構想】

　Strategic Defence Initiative の略。ＳＤＩと言われる。1983年アメリカ合衆国レ−ガン大統領の発表した弾道ミサイル防衛システムのこと。スターウォーズ(宇宙戦争計画)とも言われた。1993年開発が中止される。

【全糧連】

　全国食糧事業協同組合連合会の略称。全米商連，全農と並び，登録米卸業者の全国団体の一つ。組合員卸数は１７０（９５年６月現在）で最大である。

【そ】

【惣】

　惣村(そうそん)ともいう。中世農民の自治的な共同組織のこと。惣とは，「すべてのもの」「全体」を意味する言葉であるが，荘園体制が崩壊し，領主の支配が緩むと，村落の自衛，かんがい用水や入会地の管理，年貢徴収などを惣百姓の名で自治的に行った。惣百姓とは，村民一同の意味である。

【総合サービスデジタル網】

　ＩＳＤＮのこと。Integrated Service and Digital Network　電話・テレックス・ファクシミリ・コンピュータ(データ)通信など従来別々の回線であったものを統合して，音声・データ・画像を総合的に提供するネットワーク。光ファイバーケーブルとデジタル信号による送受信技術の開発によって可能になった。さらに，広帯域(Ｂ−ＩＳＤＮ)への改善にともなって，マルチメディアの実用化がいっそう進められている。

【促成栽培】

　普通栽培より早く作物を成熟させ，出荷時期を早めるようにした栽培方法をいう。

【尊王攘夷論】

　尊王論(天皇尊崇思想)と攘夷論(外国人排斥思想)とが，幕藩体制の動揺と外国の圧迫という危機に際して，結合し形成された政治思想である。幕末期，長州藩の下級武士を中心とした尊攘派(尊王攘夷派)は，尊王攘夷運動を倒幕運動に発展させて明治維新を導いた。

戻る