[嬉野関係](大学院社会系コース同窓会誌)
ターニングポイント
35期生のみなさん,修了おめでとうございます。
今年度は,佐藤太紀さんと平林幸さんの二人と有意義な時間を過ごすことができたことに感謝しています。
佐藤さんは,見事北海道の小学校教員に正式採用が決まり,来年4月からは,公私ともに充実した日々を過ごそうと夢に溢れていると思います。
2年間,研究テーマがブレることになく,修論に取り組み,立派な成果をあげられました。
平林さんは,和歌山県の現職教員で,2年間の成長ぶりには,目を見張るものがありました。
今後,これで研究を完結することなく,新たなステージで再スタートするという気概をもって,お二人のさらなる活躍を期待しています。
今年,ある学会の講演で,宗教学者の山折哲雄先生の話を聞く機会があった。
山折先生の「正しい姿勢と深い呼吸がすべての基本である」という話がとても印象に残っている。
人間の振るまいや言動の基本は,確かに正しい姿勢と深い呼吸である。講義中の学生の聴講態度を見ればよくわかる。
姿勢が悪く,平然と私語をしている学生は,真の学ぶ態度ではない。
本学の大学院の講義では,受講態度を注意することはほとんどないが,大講義室での学部の講義や私立大学での講義では,受講態度を注意することも多い。
まさに正しい姿勢と深い呼吸,つまり真の学ぶ態度ができていないのだろう。
正しい姿勢と深い呼吸という話を聞きながら,子どもの頃からやっていた剣道のことを思い出していた。
物心つくとすぐに竹刀を握っていた。
父親が,剣道を教えていたこともあって,小さい頃からよく鍛えられた。
得意技は,上段の構えからの面と出鼻技。
相手が面や小手を打ってくる瞬間に相手の小手や抜き胴を狙う。
素早い動きで中学生の頃にはかなりのレベルに達した。
しかし,高校入学と同時にすっぱりとやめた。
個人競技よりも団体競技がやりたかったからだ。
一対一の緊張感は,やったものでないと分からない。
特に,団体戦。
先鋒から次鋒へと次々と大将戦まで戦っていく。
大将である自分は,それを正座をして,中堅戦あたりで面をつけて待っている。
その時の緊張感。
2−2で自分で決する時など,今でも思い出すとドキドキする。
剣道では,数々の大会に出て優勝することができたが,一番の思い出は,小学校3年生の時,愛媛県上浮穴郡の大会で初めて優勝して,親父に誉めてもらったことである。
私は,親父に褒められたり,叱られたりした経験がほとんどない。
兄や姉には,厳しく接していた父であったが,末っ子の私には何も言わなかった。
だから,唯一の記憶になっている。
その時のうれしさが忘れられない。
もっと強くなって親父やおふくろを喜ばせてあげたいと稽古に励んだ記憶がある。
今では亡くなってしまった親父との約束で,昇段試験は,3段まで受けたが,高校以来,本格的に竹刀を握ったことはない。
ただ「礼に始まり礼に終わる」という日本古来の武道としての剣道は,今でも竹刀を見ると,武者震いをしながら緊張してしまう。
高校に入学すると,ラクビー部に入部する。
高校時代は,学業成績そっちのけで,ラグビーに没頭していた。
授業は,睡眠&休憩時間であり,ひたすら体を休める時間。
時には,休養をさらに深めるために,図書館へ逃げる行動をとる。
図書館は,冷暖房が完備しており,睡眠には最適だったからだ。
逃げると必ず,図書館にいるのは,ラグビー部かバスケットボールあるいはハンドボール部員だった。
それにしても,授業中はよく寝た。
ひどい時は,1時間目に世界史の授業があり,そのまま眠ってしまい,気がつくと現国の授業になっていた。
現国は,何と6校時。誰も起こしてくれない。
世界史の教科書は,ヨダレの渦。
それから,ゆっくり起きて弁当を食べ,部活に臨んだのは言うまでもない。
ラグビー部では,顧問の先生にも憧れた。
日体大を卒業して間もない先生のその爽やかさは,今でも深く印象に残っている。
昼休みになると,体育科の先生たちが,テニスコートで,硬式テニスを楽しそうにしていた。
そののんびりとした雰囲気が何ともうらやましかった。
そのような先生になりたくて,高校時代は,高校の体育教師を目指していた。
途中で夢破れたが・・・・。
今年,ラグビー日本代表(チェリーブロッサムズCherry Blossoms)が歴史的勝利をあげる。
南アフリカ相手に34−32で逆転勝利。
世界ランキング3位を相手に,13位の日本が勝てるなんて奇跡である。
2019年に,日本でW杯が開催される。
新国立競技場の問題で,ケチがついた感じだけど,選手たちには関係ない。
2019年には,優勝は無理でも,せめて決勝トーナメント進出の悲願は達成してほしい。
そのためにも外国人選手をさらに2倍にするか?ラグビーは,まさに多国籍軍。
でも,どの国でも同じである。
今回のW杯の活躍で,体格のいい有能な中・高校生が,ラグビーをしてくれたらいい。
第2,第3の五郎丸が出てきてほしい。
ラグビーの本場であるイングランドの地で,日本の桜のジャージが躍動した。
2015年は,目標を失いかけていた自分に,再びやる気を取り戻してくれたターニングポイントになった。
ラグビー日本代表の活躍は,久しぶりにラグビー界にとっても,自分のやる気を甦らせてくれた意味でもうれしいニュースだった。