野菜について考えよう。
　国民生活の生活水準の向上によって，食料需要も多様化して，野菜・果実・畜産物の生産高が増加しています。野菜は，ダイコン・ハクサイの消費量が減り，レタス・ピ−マン・カリフラワ−・セロリなどの洋風野菜が増加しています。

　野菜は，食べる部位によって，根菜類・茎菜(けいさい)類・葉菜類・花菜類・果菜類に大きく分類されます。葉菜類と茎菜類を合わせて葉茎菜類としたり，鱗(りん)茎菜類を独立させたりする場合があります。

　野菜は，食用に畑などで作られる植物の総称です。日本原産の野菜は，いまも山野に自生しているセリ，ミツバ，フキ，ウド，ワサビなど数種で，店頭に並ぶ野菜の大半は，海外原産です。熱帯原産の高温を好む野菜は，夏を中心に，冷涼地生まれの野菜は，秋から春の季節に，長い間かかって受け入れに成功したのです。現在，日本では，約１５０種類が栽培され，世界に例をみないほど豊富な種類の野菜に恵まれています。

　野菜には，○○栽培と言われる栽培方法がたくさんあります。ここで，しっかりとその定義を把握しておきましょう。

　野菜は，新鮮さが命です。ですから，従来は，大都市近郊が中心でしたが，高速道路の整備による交通機関の発達により，現在では遠郊農業がさかんです。

　野菜作りをする農業にもいろいろな農業があります。まとめておきましょう。

　旬というのは，一番おいしい時期のことで，栄養価が高いうえに，価格も安い時期です。露地(雨や露がじかに当たる地面のこと)で，栽培されてできる野菜のことである。最近は，野菜には季節がなくなっています。(旬をなくした栽培を周年栽培といいます。)その原因は，まず，ビニルハウスや温室が普及したことです。次に，寒い季節でも野菜や果物を作る技術が広まったことにあります。そして何よりも，輸送方法が発達し，鮮度を保ったまま輸送・貯蔵する技術で，海外からの輸入が簡単になったこともあげられます。ここで旬の野菜を紹介します。

　１９９９年４月農水省が，旬の野菜について，次のように定義づけています。

　キュ−イフル−ツのおもしろいお話をします。キュ−イフル−ツは，ニュ−ジ−ランドが原産地です。ある日本人農家の人が，ニュ−ジ−ランドを訪れて，作り方を教えてもらおうとしました。ニュ−ジ−ランドでは，相手が日本ということで安心をしてそのノウハウを教えたそうです。日本と聞いて安心したのは，ニュ−ジ−ランドと日本は，季節がまったくの逆なので，日本が，ニュ−ジ−ランドの競争相手にはならないと考えたからです。でも，日本人は持ち前の技術力で，１年中キュ−イフル−ツを生産することを可能にしたのです。唖然としたのは，ニュ−ジ−ランドです。気がついたときには，もう既に遅し・・・・・・。

　同じ野菜でも地域や品種によって旬も異なります。おいしい露地ものの出盛り期を中心に探っていくと，野菜の分類ごとに季節が移り，自然の恵みとしての本来の野菜の姿が見えてきます。

　野菜に含まれる主な栄養は，次の通りです。栽培技術や栽培品種の変化などに伴って，野菜に含まれる栄養成分も変化している。最近では，特にビタミンＣの減少が目立っていると言われている。(日本食品標準成分表より)

　野菜に含まれるビタミン，ミネラルは，体の機能を正常に保つ役割を果たすだけでなく，がん予防や老化防止などに効果があるといわれている。健康的な生活を送るために１日にとりたい野菜の目安量は，４００ｇ(緑黄色野菜１００ｇ，淡色野菜２００ｇ，イモ類１００ｇ)といわれている。

　野菜の学習のポイントは，気温である。その気温を子どもたちに意識してもらうために，気温の逓減率の問題を策定する。気温の逓減率とは，海抜が，１００ｍ上昇するごとに気温は，約0.55℃低下するという。小学生の段階では，計算がむずかしいので，２００ｍで，１℃下がることを目安にする。

　この問題から，子どもたちに何を学んでほしいかと言うと，栽培作物は，垂直的に変化するということである。

これは，農業の成立条件の一つである高度条件にも関連している。