ランドマークを見つけよう。  ランドマークを見つけよう   最愛の娘「あきら」です。  戻る




    本当に星になってしまった「あきら」





 「お星さま お星さま 見てますか。
  あなたのことを見てますよ。
  見てたら合図をしてください。
  キラキラ キラキラお星さま。」
 これは,長男の洸太朗が幼稚園へ通っていたときによく歌っていた曲でした。
 初めての七夕会のときに楽しそうに歌っていたのでとても印象に残っていました。
 それで,「お星さま」のところを「あきら」に替えて,あきらと二人でよく歌っていました。


 「あきらさま あきらさま 見てますか。
  あなたのこと見てますよ。
  見てたら合図をしてください。
  キラキラ キラキラあきらさま。」
 と,3歳になる前から歌っていました。


 今となっては,本当にどこかにいるあきらを空を見上げながら歌うことになってしまいました。
 ビデオに撮っている映像を見ると,何とも悲しい表情に見えてしまいます。
 あんな歌なんか教えなかったらよかった。
 後悔することばかりです。


 また,あきらは,私が仕事をしている部屋にこっそりとやってきては,私がすぐに気がつくと,
 「お父さん,今度は見つけんといてよ。」
 と言って,居間の方へ走って行ってまた,こっそりと忍び足で近づいてきます。
 今度は,あきらは,
 「こそっと,・・・・こそっと。」
 と小さな声で言いながら部屋へ忍び足で入ってくるのです。
 まるで,ごんぎつねのごんが,くりやまつたけを持って兵十のいるところへ忍び足で運んでいるような雰囲気でした。
 私は,わざと気づかぬふりをしてあげます。
 すると,あきらは,私が仕事をしている部屋のパソコン台の下に隠れます。
 「あきら,見つけた!」
 と,言うと,
 「ワー!ははは。お父さん,見つけた?すぐに分かった?」
 と,にこにこしながらしゃべるのです。
 そんなあきらが,とても愛おしくてすぐに抱きしめていました。
 今でも仕事をしていると,後ろにあきらが隠れているような気がします。


 「あきら,どこにいるの?どこに隠れてしまったの?」
 あきらは,本当にどこかへ行ってしまった現実にどうすることもできないで立ちつくしていました。


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