なぜキリスト教を禁止したの？

　キリスト教の布教活動は，ポルトガル・イスパニアの重商主義政策と深く結びついており，そのためこれらの諸国の侵略を招くのではないか，と心配していたのである。オランダやイギリスが，この点を強調したこともあって，支配層の恐怖心が増したことも見逃せないことである。また，キリシタンの団結力の強さ(島原の乱で示された)も一向一揆との長い苦しい戦いを忘れていなかった支配者にとって，恐ろしいことであった。

　島原の乱以後，キリシタン探索のため宗門改を実施し，民衆をすべて宗門改帳(宗旨人別帳(しゅうしにんべつちょう))に登録した。寺院は，民衆の結婚，奉公などの移動に際し，檀徒がキリシタンでないことを証明する寺請証文を発行した(寺請制度)。