■　家臣の城下集住

一　わが朝倉家の城郭のほかには，決して領国内に城郭を造ってはならない。すべて有力家臣はみな一乗谷の城下に移り住み，その郷村の所領には代官・下役人だけを置くようにせよ。

〔朝倉孝景条々〕

■　喧嘩両成敗

一  家臣間の喧嘩は，双方の理由の善悪にかかわらず処罰する。ただし，相手にしかけられても，こらえて喧嘩をしなかった者は処罰してはならない。

〔信玄家法〕

一　喧嘩口論はきびしく禁止する。事の善悪を云々する前にじっとがまんせよ。この命令に背いて勝負するようなことがあれば，理由の如何にかかわりなく両方ともに処罰する。

〔長宗我部元親百箇条〕

■　婚姻の許可制

一　駿河・近江両国の今川氏の家臣たちは，主君の許可なしに他国から嫁をとったり，婿を迎えたり，娘を他国に嫁にやることは，今後は禁止する。

〔今川仮名目録〕

■　土地自由処分の禁止

一　もとからの私領であった田地以外，主君からの恩給地は理由もなく売却することを禁止する。このように禁制はするが，やむを得ない場合にはその事情を申し出て，期間を限って売買するようにせよ。

〔信玄家法〕

■　守護不入の事

一　駿府の中で，守護使不入地の規制を自分は破棄した。今後，これに反対してはならない。

一　不入の地の特権について，代々の領主の許可書をもらい，個々についてもそれが明確な所は問題としない。しかし，新たに不入地とすることは今後禁止する。・・・・旧い規制によって守護使不入というのは，室町将軍家が全国を統一的に命令伝達して，諸国の守護にそれを命じられた時のことである。守護使不入だからといって，現在，将軍家の命令に背くことができるかどうか。現在は，すべて自分(今川義元自身)の力量で国内に命令伝達を行い，国内もよく治まっているのだから，守護の力が入ってはならないなどという事は許されるものではない。

〔今川仮名目録〕

■　百姓逃散の禁止

一　百姓が領主への年貢・雑税を納入せずに他領へ逃散したときは，盗人と同じ罪科に処する。その逃亡農民を受け入れている者に連絡して，引渡しを要求しても承知しないときには，かくまっている者を逃亡農民と同罪とする。

〔塵芥集〕

■　他国との音信禁止

一　(武田氏の)主君の内諾をえずに，他国へ進物・手紙を送ることを一切禁止する。ただし，隣の信濃にいる甲州人が，謀略のために甲斐一国中に音信を通ずるのはやむえない事である。またかりに国境あたりに住む人で，日常的に手紙が来るのは禁止できないであろう。

〔信玄家法〕

■　分割相続の抑制

一　庶子の所領の分割は，全知行地の五分の一，十分の一程度が妥当なところであろう。それが半分とか三分の一になると，惣領の主君への御奉公にも支障をきたすであろう。わきまえておくべきことである。

〔今川仮名目録〕