■　学制の公布(学事奨励ニ関スル被仰出書)

　人々が自立して生活手段をたて，実業を盛んにしてその生涯を完結するもとになるものはほかでもない。身を修め，知識を広め，才能・技芸をのばすことにあるのである。そしてそのためには学問する以外には実現不可能である。これが学校を設ける理由であり，日常の行動，言語，書算を初め，士族・官吏・農民・商人・工人の仕事，工芸や法律・政治・天文・医療などに至るまで，およそ人の行うことで学問によらないものはない。・・・・・だから，学問は人が身を立てる資本ともいうべきもので，人間たるもの学問をしなくてよいということはない。こういう次第で，今度文部省において学制を定め，順次教授規則も改正し布告する予定だから，今後は一般の人民(華族・士族・農工商・婦女子)は必ず村に子弟を学校に入れない家がなく，各家に学校へ行かない者がないようにしたい。父兄はよくこの趣旨を認識し，子弟を愛育する気持ちを厚くし，子弟を必ず勉学させるようにしなければならない。

〔法令全書〕