■ 平氏の栄華
平清盛の一家のものたちといえば,名門の公家たちでも対等につきあえない。だから清盛の妻の弟,平時忠卿は「此の一門にあらざらむ人は皆人非人なるべし(この平家一門でない者は人ではない)」とさえ言った。・・・・
清盛自身が栄華をきわめただけでなく,一門そろって繁栄し,嫡子重盛は内大臣の左大将,次男宗盛は中納言の右大将,三男知盛は三位の中将,嫡孫(重盛の子)維盛は四位の少将となり,すべて一門の公卿は16人,殿上人は30余人,諸国の受領や衛府・諸司の役人を加え合わせると60余人に及んだ。まことに世の中には平氏以外に人はいないように思われた。日本全国わずかに66カ国,そのうち平家の知行国は30余国で,全国の半数をこえている。そのほかに平家の庄園・田畠は数知れぬほど多い。御殿は美服を着かざった人々で満ちあふれ,門前は車馬が群れて市のようなにぎわいである。(以下略)
〔平家物語〕
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