■　刀狩令(現代語訳で書いています。)

一　諸国の百姓が刀・脇指・弓・槍・鉄砲その他の武器を所持することを厳禁する。その理由は，不要な武器を持てば，年貢・雑税を出ししぶり，おのずから一揆を企てることにもなる。その結果，領主に対して不法な行為をなす者があれば当然処罰される。そうなれば，その所の田畑は耕作されなくなり，土地が無駄になってしまう。従って，大名・領主・代官らの責任において武器を全て没収して差し出せ。

一　取り集めた刀・脇指は無駄にするのではない。今度，京都方広寺の大仏を建立する釘・かすがいに使用するのである。そうすれば，現世はもちろん来世までも百姓は助かることになる。

一　百姓は農具さえもって耕作に専念しておれば子孫末代まで幸せなのである。秀吉公はこのように百姓のことを思って命令された。まことに国土安全，万民安楽の基になるものである。・・・・百姓たちはこの趣旨をよく承知して農耕・養蚕に精を出すようにせよ。

　右の通り，武器類は必ず取り集めて差し出すようにせよ。(小早川家文書)