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ポ－ツマス条約　ポ－ツマス条約

　日露戦争は，日本優位に展開した。しかし奉天会戦・日本海海戦で，日本はその国力を使いはたし，戦争継続は困難になった。ロシアも血の日曜日事件(１９０５年)に始まる第一革命によって，国内の厭戦気分が高まっていた。そこでアメリカ大統領セオドア＝ル－ズベルトに仲介を依頼し，アメリカ東海岸のポ－ツマスで日露講和条約(ポ－ツマス条約)が調印された。内容は，韓国における日本の優越権の承認・遼東半島の租借権と長春以南の鉄道利権の譲渡・南樺太の割譲・沿海州やカムチャッカ沿岸の漁業権の付与などであった。戦勝の実情を知らされなかった日本の世論は，賠償金がなかったことに強い不満をもち，東京での日比谷焼打ち事件など全国で講和反対運動が起こった。

■　ポ－ツマス条約

第二条

　ロシア帝国政府は，日本国が韓国において政治・軍事・経済上に抜群の権益を持つことを承認し，日本帝国政府が韓国において必要と認める指導・保護・監督の措置をとる場合に，それを妨害したり干渉しないことを約束する。

第五条

　ロシア帝国政府は，清国政府の承認を得た上で，旅順口・大連およびその付近の領土・領海の租借権，さらにその租借権に関連してその一部をなしている一切の権利・特権及び譲与されたものを日本帝国政府に移転譲渡する。

第九条

　ロシア帝国政府は，サハリン島(樺太)南部および付近の一切の島々，並びにその地方の一切の公共造営物・財産を，完全な主権とともに永久に日本帝国政府に譲与する。その譲与する地域の北方境界は，北緯５０度と定める。

〔日本外交年表ならびに主要文書〕

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