兵庫大学教育学部教育学科 關浩和研究室


遘大ュヲ遐皮ゥカ雋サ

基盤研究(C)一般   課題番号 22K02493
インタラクティブ性を高めるエドテック活用の社会科授業インストラクショナルデザイン」
Improving Interactivity in Instructional Design by Developing an EsTech-based Social Studies Plan.

これからの時代には,平和で民主的な国家及び社会の形成者として求められる力や,
安全な生活や社会づくりに必要な資質・能力を育んでい くことが必要である。
しかし,社会科授業で,資質・能力を育成することが目的ではない。
授業をすることで,新しい価値の創造や責任ある行 動ができることや対立とジレンマの対処をしながら,
個人と社会のウェルビーイングWell-Beingを実現することが目的である。
物事を多角的・ 多面的に吟味し見定めていく批判的思考力,統計的な分析に基づき判断する力など,
思考するために必要な知識やスキルを使いこなすことの重要性が指摘されているが,
これらの育成に社会科教育が担う役割は大きい。
学校教育においては,GIGAスクール構想の中で,急速にICTや多様なデジタル・コンテンツを活用していく教育が始まっている。
インタラクティブ性を高めるエドテック活用の社会科授業インストラクショナルデザインを目的とするものである。
エドテックEdTechとは,IT技術を教育の分野に利用して新しい価値やイノベーションを起こすことであり,
エドテックによるアクティブ・ラーニングは,GIGAスクール構想や個別に最適化された学びAdaptive Learningにつながるものである。
学習効果をあげるインストラクショナルデザインは,学習者間のインタラクティブ性を高めるために,
エドテック活用がどのように効果を及ぼすのかを解明する。
そのことは,学校現場の教員の授業力向上及び社会科教育体系の再構築と今後の教科教育研究を発展させるために,
さらなる基盤形成につながるものである。
これまで,科学研究費助成を受けて,9年間をかけて危機対応マネジメント育成に関わる社会系教科のカリキュラム研究や授業評価スタンダード,
問題解決学習の新たな協働的問題解決学習の提案,インストラクショナルデザインのあり方を探ってきた。
本研究では,それをさらに進めるために,エドテックを活用して,
インタラクティブ性を高めるための授業実践のためのシステムをインストラクショナルデザインに求め,
これから様々なリスクや苦難な状況に陥った時でも,対応できる子どもの育成を目指して,
より具現化・可視化された社会科授業によって,社会科教育のさらなる基盤形成としたい。
インストラクショナルデザインは,現状維持ではなく,「教育内容・学習目標・評価方法」の3つ要素を関連させながら,
より良くするための改善を繰り返すためのシステム的なアプローチであると位置づけて取り組んでいきたい。